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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

高齢者の転倒予防、重要 寒川美奈

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●北大大学院保健科学研究院准教授 寒川美奈

 厚生労働省の調査で、高齢者の5人に1人が、年1回以上、転倒を経験していることが報告されています。

 転倒は加齢とともに増加するともいわれており、転倒・骨折は、高齢者が寝たきりになる要因の3位でした。一方、転倒は大腿(だいたい)骨や腕の骨折など大きなケガにもつながりやすく、それらによって生じる痛みや活動制限で身体機能が低下しやすいことからも、転倒を防ぐことはとても大切です。

 転倒の原因は、立っている時など空間での身体の位置変化に対する認知と、それを修正しようとする神経系の障害と考えられています。言い換えると、身体の位置が思いに反してずれ、姿勢制御が不能になった場合、対応しきれずに転んでしまうということです。

 約20年前、東京厚生年金病院で「転倒予防教室」が初めて開かれました。最初は講義、筋力トレーニングや全身運動、ストレッチングなどからなる全6回(8週間)のプログラムで費用は5万6871(ころばない)円でした。その後、修了者からの感想などを参考に、マンツーマンに近い指導8回(12週間)のプログラムに変更され、費用も7万8千(七転び八起き)円になりました。

 決して安価ではないにもかかわらず、どちらも大盛況だったようです。近年は自治体などでも転倒予防教室はよく開催されています。しかし、介護をまだ必要としていない比較的元気な高齢者向けの支援事業として、多く実施されているのが現状のように思います。

 一方、これまでの厚労省の調査結果から、転倒の原因は「滑り」「つまずき」「踏み外し」の3種類に大きく分けられています。まずこれらを回避する取り組みが転倒予防につながっていくと思われますが、これまでの報告では最もリスクが高かったのは「筋力低下」、次いで「過去1年間に転倒があった」でした。

 その他にバランスや柔軟性といった身体機能の獲得も重要と考えられています。これらのリスクファクターに関するスクリーニング(選別)と修正が大切です。

 合わせて、履物や家屋構造などの外的な要因、環境づくりへのサポートも重要な取り組みだと考えられます。そして今後は、運動機能が低下した虚弱高齢者に対して、集団のみならず、在宅ベースの個別プログラムの開発や指導も、必要な取り組みとされています。

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