メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

05月27日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

メタボは子どもも要注意 岸玲子

写真: 拡大

写真: 拡大

写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●北大名誉教授・環境健康科学特別招聘教授 岸玲子

 「メタボ」という言葉を良く聞きます。メタボは、メタボリックシンドロームの略。一定以上の腹囲(男性85センチ、女性90センチ以上)が内臓肥満の指標で、メタボ健診項目にも入っています。

 脂肪細胞からは、エネルギー消費の増大をもたらすレプチンなど、善玉ホルモンが分泌されます。しかし内臓肥満の状態になると、脂肪細胞から悪玉因子がたくさん出てきて、血糖値を下げる働きをするホルモン(インスリン)が筋肉や肝臓の細胞に信号を伝えられず、高血糖をもたらします。脂質異常症や高血圧にもつながり、血管が老化しやすくなります。この状態をメタボと言います。

 日本では、メタボはもっぱら大人の生活習慣病として扱われています。一方、文部科学省の統計では、過去数十年の間に子どもの肥満が2〜3倍増加していることも示されています。特に9〜17歳の男の子の10人に1人は肥満との数字も出ています。

 この原因として、子どもの生活リズムや食生活の変化が理由に挙げられることが多いのですが、私たちは、プラスチック製品に含まれる化学物質が発育や肥満と関係する可能性に注目しています。

 中でもビスフェノールA(BPA)とフタル酸エステル類に着目しました。BPAはポリカーボネート樹脂に使われている物質で、歯科治療用の歯の詰め物や、缶詰の内側を覆うエポキシ樹脂にも含まれていたことが知られています。一方、フタル酸エステル類は、プラスチック製品を軟らかくするために使われており、ポリ塩化ビニールや接着剤、印刷インクなどに含まれています。

 研究の結果、妊娠中のお母さんの血液のBPAやフタル酸エステル類の濃度が増えると、臍帯血(さいたいけつ)に含まれているレプチンの濃度が減少することがわかりました。レプチンは肥満の抑制や代謝に関係し、胎盤からも分泌され、胎児の成長に重要な役割を担っています。諸外国の研究からは、レプチン濃度の減少は、胎内発育の遅延や早産とも関係することが報告されています。

 私たちのデータでも、レプチンと子どもの神経・行動発達の関係が見られました。今後引き続き、成長過程における子どもの肥満と環境との関係を注意深く観察していくことが必要です。

 子どもの肥満を減らすことは、大人のメタボを減らすことにつながり、生涯を通じた健康維持のために重要だからです。

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

北海道報道センターから

北海道アサヒ・コムへようこそ。
身のまわりの出来事やニュース、情報などをメールでお寄せ下さい(添付ファイルはご遠慮下さい)
メールはこちらから

朝日新聞 北海道報道センター 公式ツイッター

注目コンテンツ