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岐路の鉄路〜北の鉄道【鉄道/ニュースと話題】

修正東側案で事実上決着

写真:北海道新幹線札幌駅のホーム位置の協議後に会見するJR北海道や鉄道建設・運輸施設整備支援機構など5者の代表ら=道庁赤れんが庁舎 拡大北海道新幹線札幌駅のホーム位置の協議後に会見するJR北海道や鉄道建設・運輸施設整備支援機構など5者の代表ら=道庁赤れんが庁舎

写真:札幌駅の新幹線ホームの「修正東側案」イメージ図 拡大札幌駅の新幹線ホームの「修正東側案」イメージ図

 ■国など、技術面クリア確認/新幹線札幌駅ホーム

 2030年度に開業予定の北海道新幹線札幌駅のホームについて、在来線ホームの位置から東側にずらす「修正東側案」で事実上決まった。国土交通省やJR北海道などが12日、技術的に可能なことを確認。事業費は当初案より75億円増えるが、JR北が負担する。ホーム位置を巡る約2年半の「迷走」はようやく決着する。

 (鯨岡仁、坂東慎一郎、戸谷明裕)

 ■JR、差額75億円を負担へ

 修正東側案は在来線ホームの東端より約200メートル東に、創成川をまたぐ上下線の二つの新幹線ホーム(2階)を設けて在来線と連絡橋(3階)で結ぶ。連絡橋には在来線の改札口も設けるほか、高架下(1階)に新幹線専用の改札口をつくり、「新東口」にする。

 この日、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構やJR北、札幌市など5者が道庁で協議。同案の実現可能性を検証してきた5者は、JR北の提案を一部修正すれば、技術的な問題はクリアできることを確認した。

 整備新幹線は国や自治体がお金を出して建設する。JR北は事業費を625億円と試算したが、機構が詳しく精査したところ、20億円多い645億円になることが判明。国は現在の札幌駅の1、2番線を活用する「現駅案」の事業費570億円を上限としており、JR北が差額75億円を負担することも確認された。

 協議後、これまで現駅案を主張してきた機構の小島滋副理事長は修正東側案について「細かい問題は解決した。技術的には成立する」と容認する姿勢を見せた。

 新幹線開業が30年度に迫り、経済界からは「開業に間に合うのか」「札幌五輪招致に影響が出る」など厳しい声が出ていた。道と市は経済界などの意見を聞いたうえで、最終判断する。経済界は修正東側案の賛成が多く、5者は月内にこの案を正式に決定する。

 ■駅東側の「玄関口」どう変わる 市、ビル構想など影響検討へ

 「修正東側案」によって、札幌駅東側の「玄関口」はどう変わるのか。

 札幌市が昨年2月、現駅案を前提にした再開発構想では、青空駐車場になっている市有地(西1街区)に「JRタワー」並みの高層商業ビルを民間と建設し、賃貸オフィスや高級ホテルを誘致。「札幌エスタ」(西2街区)と1階のバスターミナルも一体的に開発し、創成川東岸をつなぐ歩行者用デッキを設ける。

 これらのまちづくり計画を市は当初、今年度中に作る予定だったが、新幹線のホーム位置が決まらずずれこんでいた。修正東側案には西1街区に新幹線専用改札などが設置され、どう影響するか注目されそうだ。

 今月の市議会で、市は計画策定を来年度に先送りしたことを報告。「修正東側案」で合意した場合、「周辺交通や歩行者動線への影響を詳細に検討する」とする考えを示した。

 ■混雑回避と拡張性、決め手 JR、増える乗降客に対応

 新幹線札幌駅ホームは一度は国が認可した「現駅案」を覆し、JR北が提案した「修正東側案」で決着する異例の展開となった。

 この3年近く、「地下案」などいくつもの案が浮かんでは消えた。道都の「玄関口」の概要は固まったが、設計次第では事業費がさらに膨らむ可能性もあるなど課題も残っている。

 JR北が現駅案以外にこだわったのは、経営環境の激変がある。札幌駅の乗降客は認可時の12年から1万人以上増え、1日平均17万人を超えた。外国人観光客の急増も想定外だった。

 修正東側案の決め手は、「混雑回避」と「拡張可能性」だ。現駅案に比べ、新幹線の上り(出発)と下り(到着)の乗客の動線を分離でき、混雑が防げる。待合室などのスペースも広くとれ、JR北は「ゆったりとした設(しつら)えと拡張可能性を確保したい」(島田修社長)と主張し続けた。

 現駅案を避けたい理由もあった。在来線ホーム2本が減り、新千歳空港と札幌を結ぶ「快速エアポート」の増発が難しい。工事期間も含め、JRタワーや駅構内のテナントの一部の営業に影響が出る。経営難の同社にとっては、差額を負担してでも、「稼ぎ頭」の駅ビル関連の収益を維持、拡大する戦略が欠かせない。

 ただ、課題も多い。現駅案に比べ、地下鉄南北線や在来線との乗り換え距離は長い。新幹線の中央付近から在来線までは約6分と現駅案の約3倍。さらに在来線と結ぶ連絡橋の詳細設計は完了しておらず、利便性を高めようとすれば、事業費645億円が膨らむ可能性もある。

 差額を負担するJR北は、廃線を含む赤字路線の大幅な見直しを進めている。路線維持のために財政負担を求められている沿線自治体の理解を得られるかも不透明だ。

 ■5者協議の発言要旨

 【JR北海道】

 札幌駅はインバウンド客が増えており、柔軟に対応できる余地を残したい。「修正東側案」では売り上げが大きい店舗を維持できる。店舗を残しながら関連事業の収益も上げていく

 【鉄道・運輸機構】

 「修正東側案」の技術的課題は解決。道民や市民が良いと選択した駅が作られるべきだ

 【国交省】

 差額負担は将来的な経営改善に資する前向きな投資。総合的な方向性はこれで良い

 【道】

 ここ数年、インバウンドを中心に北海道に入ってくる人が想像以上に多かった。使いやすい駅になるよう検討を進めたい

 【札幌市】

 まちづくりの観点では利用客が出てくる改札口の位置がどこかが大事。速やかにそれに合ったまちづくり計画を策定したい

 ■北海道新幹線札幌駅のホーム位置問題の経過

2012年6月 新函館北斗―札幌間の工事実施計画を認可。ホームは現札幌駅の1、2番線を利用(現駅案)

  15年1月 札幌延伸開業を35年度から5年前倒し決定

     5月 JR北海道が札幌駅の300メートル西側を提案(西側案)。道や札幌市が反発

     9月 機構、JR北、道、市による4者協議開始

  16年5月 JR北が「東側案」を提案

    10月 4者が「東側案」と「現駅案」の2案を検討開始

 17年10月 2案の検討が行き詰まり、「地下案」を検討対象に追加

  18年2月 「地下案」を断念。JR北が「修正東側案」を提案。高橋はるみ知事が「修正東側案」支持を表明

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