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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

健康寿命、喫煙対策など課題 岸玲子

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●北大名誉教授・環境健康科学特別招聘教授 岸玲子

 介護などの必要がなく、日常生活を支障なく過ごせる期間を示す「健康寿命」について、2016年の推計値が公表された。男性は72・14歳、女性は74・79歳で、前回13年の調査より、男性で約1歳、女性で0・6歳延びていた。厚生労働省が3年に1度、全国的に実施している「国民生活基礎調査」で、日常生活に影響がないと答えた人の割合などから算出する。

 注目されるのは、健康寿命と平均寿命との差だ。3年前は男性で約9年、女性で13年だったが、今回は女性がやや短くなり12年だった。この差を短縮できれば、個人の生活の質の低下を防ぐことにもなり、望ましい方向といえる。

 平均寿命の延びに伴って健康寿命との差が広がれば、医療費や介護給付費を多く使う期間が長くなる。国としては、社会保障費の軽減を図りたいと考えており、国民健康づくり運動「健康日本21」の大きな課題にもなっている。

 都道府県別の健康寿命は、男性は山梨(73・21歳)が1位で、埼玉、愛知、岐阜、石川と続き、女性は愛知(76・32歳)が1位で、三重、山梨、富山、島根の順だった。北海道の男性は71・98歳で25位、女性は73・77歳で、前回の26位から45位になった。

 厚労省の説明では、山梨県ではがん検診の受診率や、野菜摂取や介護予防活動への取り組み率が高いことなどが特徴として挙げられている。一方、北海道は喫煙率が高いほか、高齢者の虚弱を防ぐため、運動や栄養、社会参加など、取り組むべき健康づくりの課題が多い。

 16年の日本の平均寿命は過去最高を更新した。国・地域別では、男女とも香港に次いで2位。だが、今後については懸念材料もある。

 欧米に比べ、日本では寝たきりの人が多く、胃ろうに代表されるような過剰な治療で延命され、それが平均寿命を上げているという批判がある。その上、日本の喫煙対策は先進国で最も遅れた水準で、職場や家庭で受動喫煙にさらされている人もいまだ多い。近年は所得による健康格差も拡大している。

 さて、私の執筆は今回が最終回である。健康と安全、安寧についての社会医学の見方や、健康障害を予防するための公衆衛生学の役割を伝えたいと毎回、考えてきた。2年半、読んでくださった皆様に心から感謝を申し上げます。またどこかでお会いしましょう。お元気で!

(岸さんのコラムは今回が最終回です) 

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