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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

RSウイルス、乳幼児は注意 高橋豊

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●KKR札幌医療センター・小児科特任部長 高橋豊

 乳幼児が感染すると重い呼吸障害になることがある「RSウイルス感染症」は、私たち小児科医にとって最も手ごわい病気の一つだ。

 例年秋口から流行が始まり、11〜12月にピークを迎え、年が明けてインフルエンザが流行する頃には下火になっていた。近年はこのパターンが変わった。昨年道内では春からだらだらと流行し、年末のピークもないまま、インフルエンザが下火になった近頃になって増えてきている。

 赤ちゃんは風邪をひきにくいとされるが、RSウイルス感染症は新生児もかかる。2歳までにほぼ100%がこのウイルスに感染し、その後も繰り返しかかる。しかし、感染を繰り返すうちにぜんそく児以外は重症化せず、ただの風邪と区別が付かなくなる。

 小児科を受診するRSウイルス感染症の乳幼児は、兄弟からうつっていることが多い。年少なほど重症化しやすく、呼吸が苦しくなる細気管支炎になり、肺炎や中耳炎を合併する。乳幼児の肺炎の原因としては最も多い。

 感染したかどうかは、鼻汁の迅速検査でウイルス抗原を検出することで診断する。保険診療で調べられるのは1歳未満に限られる。潜伏期は通常4〜6日で、鼻汁や発熱から始まり次第にせきが強くなる。ゼーゼーして呼吸が速くなり、胸がペコペコへこむ「陥没呼吸」の症状になったら、細気管支炎が疑われる。

 生後1〜2カ月の乳児は、呼吸器症状がはっきりしないまま、「飲みが悪い」「元気がない」といった症状に続いて、突然呼吸を止める発作を起こすことがあり、乳児突然死の原因の一つにも挙げられる。感染は飛沫(ひまつ)感染と接触感染なので、乳児には風邪をひいた子を近づけないことだ。

 RSウイルスに特効薬はなく、入院すると点滴し、鼻・たんを吸引し、必要に応じて酸素を投与する。呼吸補助の機器を使うこともある。ワクチンはないが、早産児、気管支肺異形成症という慢性肺疾患を持つ子、先天性心疾患のある子、ダウン症や免疫不全状態の子には、「シナジス」という予防薬を月に1回筋肉注射することで、重症化を抑制できる。

 RSウイルス細気管支炎で入院した子は、将来高い確率でぜんそくになるという報告があった。このため一時期、RSウイルスがぜんそくを発症する原因として疑われた。だが最近では、ぜんそく発症の直接の原因とは必ずしも言えないことが、わかっている。

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