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水曜「働く・暮らす」【現場一話】

乳酸菌飲料「カツゲン」

写真:「勝源神社」の前でソフトカツゲンを手にする猪狩館長=札幌市東区の雪印メグミルク「酪農と乳の歴史館」 拡大「勝源神社」の前でソフトカツゲンを手にする猪狩館長=札幌市東区の雪印メグミルク「酪農と乳の歴史館」

写真:(右)1958年から発売された瓶入りカツゲン(中)上海の工場で包装作業をしている様子(左)製造時のものとみられる「活素」のポスター=いずれも同館提供 拡大(右)1958年から発売された瓶入りカツゲン(中)上海の工場で包装作業をしている様子(左)製造時のものとみられる「活素」のポスター=いずれも同館提供

 ■ゴクゴク験担ぎ、ルーツは上海

 道民の「活力の源」として長く親しまれている乳酸菌飲料「カツゲン」。受験シーズンには、験担ぎで飲んだ受験生もいたのではないだろうか。その「カツゲン」の歴史を、雪印メグミルク「酪農と乳の歴史館」館長の猪狩章博さん(60)に聞いた。

 カツゲンは北海道限定販売だ。かつて本州で販売したことがあるが、他の乳酸菌飲料が既に市場に出回っていたためか、あまり広がらなかったという。

 ルーツは80年前の上海にさかのぼる。1938年6月、雪印乳業の前身・北海道製酪販売組合連合会の黒沢酉蔵(とりぞう)会長が、中国の日本軍傷病兵のために上海に工場を開設。北海道から送られた原液をもとに7月から整腸効果のある乳酸飲料「活素(かつもと)」が製造された。その後国内でも生産されたが、45年に原料の砂糖不足で打ち切られた。

 56年、雪印乳業が40ミリリットルの瓶入り「雪印カツゲン」を販売。79年には紙パックでの販売に切り替え、「がぶ飲みできるようにしよう」と甘みや酸味を抑え、あっさりした飲み口の「ソフトカツゲン」を販売した。

 2016年冬には、数年間の試作検討期間を経て瓶入りカツゲンの味を再現した「あのころのカツゲン」を3カ月の期間限定で発売。詳しいレシピが残っていなかったため、同社OBの協力を得て昔の味を再現した。年配客らに「懐かしい」と予想以上の反響で、中部地方の男性から「ケースで『あのころのカツゲン』を送ってほしい」という問い合わせもあったという。

    *

 猪狩さんは苫小牧市出身。子供の時、宅配される瓶入りカツゲンを毎日飲んでいたという。「冬にはサクサクのシャーベット状になるので、小さなスプーンでほじって食べるのが楽しみだった。カツゲンは道産子にとって、慣れ親しんだ味なのでは」と話す。

 昨夏には、北北海道代表として甲子園の初戦に臨む滝川西高校野球部を激励しようと、滝川市役所の有志がカツゲンの紙パック10本ほどを差し入れたという。当時主将だった堀田将人さん(18)は「みなさんの応援を力にして頑張ろうと、カツゲンを飲んで験を担いだ」と振り返る。

 瓶入りカツゲン販売から「50年」を前にした05年末には、雪印メグミルク札幌工場内に「勝源(かつげん)神社」を設置。16年には同館の待合室内に移した。17年以降、同館の見学者のほかに約450人が参拝に訪れたという。参拝は無料で、平日午前9時〜11時半、午後1〜4時。同館(011・704・2329)への事前申し込みが必要。

 (天野彩)

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