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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

食物アレルギー児、早期対応を 高橋豊

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●KKR札幌医療センター・小児科特任部長 高橋豊

 年度替わりのこの時期、アレルギー外来は超多忙となる。「学校生活管理指導表」「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を求め、食物アレルギー児の保護者が次々に訪れるからだ。

 2012年12月、東京都調布市で食物アレルギーのある小学5年の女児が、給食の誤食で亡くなった。この事故をきっかけに、学校や園での対応が整備されたが、一方で文部科学省の学校調査で、実際は食物アレルギーではないケースに給食対応をしている例も見つかった。

 医師の診断書などが21・4%しか提出されていなかったことから、14年からは食物アレルギー児に学校が何らかの対応を行う場合、医師の記載する生活管理指導表の提出が義務づけられた。学校のものとは多少異なるが、園においてもこの指導表の提出が求められるようになった。

 指導表には診断、診断根拠、緊急時の処方薬、給食を含めた学校生活上の留意点などを記載する。診断根拠には(1)明らかな症状があった(2)原因とされる食物を実際にとる試験でアレルギー反応がある(3)血液検査などでアレルギーの原因物質が陽性にでる――の項目を選ぶ。

 保護者が「食物アレルギーだと思っていた症状がそうではなかった」「まだ治っていないと思い込んでいた」という例は少なくない。血液検査が陽性でも食べて症状が出ない場合も多いので、(1)(3)はしっかり検証する必要がある。

 (2)が最も確実な診断根拠だが、これも一定期間を経過すると食べられるようになっている可能性がある。物心がついたころから除去を継続してきた年長児は、既に治っていても例えば牛乳そのものを飲むことができず、記載に困ることもある。

 除去が必要と診断した場合、都市部では卵・乳に関しては除去食を用意できる学校は多いが、対応できない市町村も少なくないので弁当などによる対応となる。誤食を防ぐため「給食時に机を離す」「保護者に付き添ってもらう」「家で食べないかと提案される」など、過剰と思われる対応も聞かれる。新生活が始まる入学当初から他児と一緒の食事をとれないこと自体、好ましくはない。

 食物アレルギーは「食べたらならない」「なっても食べたら治る」病気だということが分かってきた。年長になると治療が難しくなるので、小学校入学まで持ち越さないように、早い段階から対応したいものである。

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