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金曜「ライフ・楽しむ」【わたし色】

里山・里海の考え方、世界に…美馬のゆり 

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 ■里山・里海の考え方、世界に広めて

 ●公立はこだて未来大教授・美馬のゆりさん

 里山(さとやま)とは何かご存じの方は多いはず。それでは里海(さとうみ)は?

 里山は、日本で人々が古くから持続的に利用し、管理してきた、人と関わりの深い森林のこと。里海は、この考え方を沿岸の海にまで広げたものです。人の手が加わることによって、多様な動植物がくらし、人もそこから恩恵を受け、持続していけるのです。

 里山も里海も、昔からある当たり前のことのように思えますが、この考え方を国際的にもっと広めていく価値がありそうです。

  □  ■  □

 2015年国連本部で「持続可能な開発のために2030年までに達成すべき17の目標」が採択されました。それは、貧困や飢餓の撲滅、全ての人への健康と福祉、質の高い教育、ジェンダー(男女)平等、安全な水とトイレ、クリーンなエネルギーの実現、そして生きがいを持つこと、などなど。

 これらは発展途上の国だけの問題ではありません。先進国自身も取り組む必要のある国際目標です。日本の、北海道の、そして私たちの身の回りにある身近な問題でもあるのです。

 今年2月下旬に、オーストリアのザルツブルクで5日間の集中セミナーに参加しました。世界各国から招待された人は70人ほど。セミナーのテーマは、「アートとテクノロジーと未来のつながりの再考」。地球が持続可能であるために何ができるかを議論し、それを各自が持ち帰り、所属する組織や国で、行動を起こす契機とすることが目的です。

 セミナーに招待されたメンバーは、芸術家や学者、国連や政治経済に関わる研究機関の人もいました。異なる背景、分野、文化、言語、国の人と議論し、解決法を見つけていくのです。

 そこで重要だったのは、相手の言葉に耳を傾けること。そこから相手と共有できる「土台」、共通の価値観を見つけること。その土台の上で、自分の考えや解決法を、相手に通じる、なるほどと思わせる具体的な例や経験を物語のように語る力でした。

 さきの17の目標には、海や陸の豊かさを維持することがありました。そこで「里山」「里海」という考え方を紹介したこところ、なるほど!と彼らの持っていた日本のイメージと深く結びつき、理解されたようでした。

  □  ■  □

 日本は昔から、工夫しながら自然と共生しつつ、くらしてきたのだと改めて気づきました。世界や未来に思いをはせ、何ができるか、残せるか。小さな一歩でも、それが地球の未来につながっていくと思うのです。

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