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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

芸能人のがん告白、影響は 高橋将人

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●国立病院機構北海道がんセンター副院長 高橋将人

 名古屋の国民的アイドルグループSKE48の元メンバーでタレントの矢方美紀さんが、25歳の若さで乳がんと診断されて乳房切除術を受けたことを告白した。詳細は不明だが、20代の独身女性が乳房切除術を選択する気持ちを考えると心が痛む。早々にラジオの仕事に復帰したようだがぜひ無事で過ごし、今後も活躍していただきたいと思う。

 芸能人のがん発症告白は、国民の健康にとって良い面と悪い面がある。

 良い面は、がんという病気が決してひとごとではないことが意識される点だ。年齢その他によって確率に違いはあるものの、収入や運動能力が高くても低くても、がんになる可能性は誰も否定できない。芸能人の発症のニュースが流れると「そのがんは日本では増えているのか?」「がんとわかったらどうしたらいいのか?」など、テレビや週刊誌などで連日紹介される。

 数年前、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」で予防的に乳房および卵巣を切除したことを告白した。それまで専門家以外には知られていなかった遺伝性のがんとその予防としての手術が広く一般の方々にも紹介され、乳がん診療の中で遺伝という問題は、治療法も含めて必ず説明するのが当たり前となった。

 別の良い面として、同じ病気で悩む人の力になることがある。今まで周りに伝えられず独りで病気の進行の恐怖と闘っていた方に、「がんを告白してもいいんだ」「社会から理解され、働き続けることができるんだ」というメッセージが伝わることになる。「彼女も頑張っているのだから、私もがんに負けないように頑張る」というような「がんと闘う勇気」を多くの人に与えることにもなると思う。

 一方、悪い面としては(これは良い面の鏡のようなものなのだが)いたずらに恐怖感を抱いてしまい、間違った情報が独り歩きすることがある。若い女性のがん検診には、メリットとデメリットがあることが伝わらず、医療機関に検診希望者が殺到することもある。科学的根拠のないデマが広がることもある。

 インターネットを検索すると「がんを予防できるサプリメント」がこれでもかと出てくる。サプリメントは薬ではなくあくまで食品。健康補助に役立つ程度に考え、過剰な期待は禁物である。値段が高ければそれだけ効果があるなどと思いがちだが、そんなことはあり得ない。だまされないように注意して欲しい。 

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