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水曜「働く・暮らす」【現場一話】

フーズバラエティすぎはら

写真:野菜売り場で商品を整える店長の杉原俊明さん=札幌市中央区宮の森1条9丁目の「フーズバラエティすぎはら」 拡大野菜売り場で商品を整える店長の杉原俊明さん=札幌市中央区宮の森1条9丁目の「フーズバラエティすぎはら」

写真:「さっぽろGood商い賞」などを紹介した冊子 拡大「さっぽろGood商い賞」などを紹介した冊子

 ■品ぞろえ多彩、ポップに趣向

 札幌市中央区の北海道神宮近くの住宅街にある「フーズバラエティすぎはら」。外観はひと昔前の個人商店のような店構え。築40年以上の店舗は昭和の雰囲気を醸し出す。

 「これ、今時期まだ色がちょっと薄いんだけど」

 4月中旬の土曜日、店長の杉原俊明さん(54)が男性の買い物客に声をかけ、アスパラを手渡した。男性は札幌市内で飲食店を営むシェフ。「ここの野菜は間違いない。果物を使って料理するときなんかも、いろいろアドバイスをくれるんです」と話す。

 レジの横では、障害者就労支援に携わる事業所が造るトマトジュースなどの試食販売も。ジュースを買い求めた50代の女性は「ここは安心、安全なものを置いてある。母の代から買い物をしています」と、卵や野菜など1万円分ほど買い物袋に詰めていた。

 品ぞろえには定評がある。入り口からすぐの場所には、タラの芽、カタクリ、フキノトウ、ウド、ハマボウフウなどの春野菜。何より目立つのは所狭しと並ぶポップだ。「食べる輸血と呼ばれるほどの栄養素の塊」「ゆでて冷水に放ち、あく抜きしてからおひたしに」など、栄養価や調理法が手書きで細かく紹介されている。ワインの種類も豊富なほか、道内の牧場から直送されたチーズや、1枚千円近いチョコレート専門店の板チョコなども置いてある。

 特徴的なポップが評価され今年2月、札幌市の「Good商い賞」の「魅力が伝わるPOP&ディスプレイ部門」でグランプリを受賞した。

 「自分たちの言葉で商品を伝える」ことを心がけている。商品は必ず従業員全員で試食し、「おいしくない」と思ったら、正直に書く。実際、「んん!!まずい!!でも一部の人には大人気」と書かれた清涼飲料水も並んでいた。

    *

 もともとは八百屋で、杉原さんは3代目。サラリーマンを辞めて店を継ぎ、当初は安売り路線だった。しかし価格競争が激しくなり、数カ月で行き詰まった。

 廃業を考えたとき、知り合った農学博士から「八百屋は生活者と生産者をつなぐ大切な仕事。もっと野菜について勉強したら」と叱咤激励された。杉原さんは野菜ソムリエの資格を取得。どんな農家がどんな土でどうやって作った野菜か。ポップで丁寧に説明。数量は少ないが、いい物を作る農家とつながりが広がった。

 道外の商品でも、客からリクエストがあれば、取り寄せることもある。品質の良さと独自の品ぞろえが評判を呼び、地元だけでなくプロの料理人や遠方からの客が買い出しに来るようになった。

 長男一成さん(28)が食品、次男健太さん(25)が青果担当をつとめる。営業時間は午前10時から午後7時半、日曜日が定休日(祝日不定休)なのも、他のスーパーとは違う。

 「小さな店でも、大手スーパーと肩を並べる方法がある。大量生産できないものや大手が扱わない商品を拾い上げ、お客さんに提供していきたい」と杉原さんは話す。

 (芳垣文子)

 ■優れた集客の工夫紹介

 「さっぽろGood商い賞」は、札幌市が2017年度から始めた事業だ。「フーズバラエティすぎはら」は、商品のメリット・デメリットをきちんと伝える姿勢やポップの説得力、またポップの表現力で経営危機を乗り越えた実績などが評価され、受賞した。

 賞の狙いは、客を取り込むための優れた取り組みを紹介し、他の店舗にも参考にしてもらうことで商業振興を図ることだという。グランプリには記念品と副賞20万円が贈られた。

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