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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

小児「むくみ」、腎臓病の兆候 高橋豊

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●KKR札幌医療センター・小児科特任部長 高橋豊

 顔や下肢の腫れをよく「むくみがある」と言うが、医学的には「浮腫」と表現する。血管から漏れ出た水分が、皮下の組織にたまってしまう状態だ。小児の場合、全身性の浮腫はほとんどが急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群などの腎臓病によるものだ。

 急性糸球体腎炎は血管内に塩分や水分がたまって内圧が高まること、ネフローゼ症候群は尿に大量のたんぱくが漏れ出て低たんぱく血症となることが原因だ。浮腫が強い場合、足のすねを指で押すとその痕が残る(指圧痕)。

 急性糸球体腎炎は4〜10歳でなりやすく、男児に多い。溶連菌感染症後に起こるものが最も多く、感染後1〜2週間で発症する。顔がむくむ、身体がだるいといった症状で始まり、尿の濁りで気付くこともある。高血圧を伴うと頭痛、嘔吐(おうと)、意識混濁といった症状が出ることもある。

 症状が強いと入院になるが、治療は安静・食事療法が主でほとんどが完治する。溶連菌感染症は、治療が適切に行われるようになったことで腎炎の合併はまれになった。

 ネフローゼ症候群になりやすいのは3〜6歳で、やはり男児に多い。尿に多量のたんぱくが出て、尿量が減る病気だ。びっくりするような強い浮腫で受診することも多い。腹水や胸水がたまることもあり、消化管がむくむと吐き気、腹痛、下痢なども出る。

 小児では原因がはっきりしない「特発性」が9割前後を占め、ほとんどが副腎皮質ステロイド薬による治療が有効だ。しかし治療を中止すると再発する例も多く、薬が効かない場合や再発を繰り返す場合は、腎臓の組織を一部採って調べる腎生検を行い、治療方針を決める必要がある。

 唇やまぶたなどに限定してみられる浮腫に、血管性浮腫(クインケ浮腫)がある。数時間のうちに突然腫れ、通常数時間から数日で跡形もなく消えてしまう。非対称性で、指圧痕を残さず、かゆみや痛みは伴わない。小児ではやはり原因不明のものが多いが、じんましんの一種なので抗ヒスタミン剤などで対応する。

 繰り返し起こり、同じような症状がある家族がいる場合は、まれではあるが遺伝性血管性浮腫(HAE)を疑う必要がある。腹痛を伴うことや、浮腫がのど元に現れて呼吸困難となることもある。血液検査で診断がつく可能性があり、治療薬もある。

 浮腫が全身に現れる場合や、場所が限られていても繰り返す場合は、病院を受診する必要がある。

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