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05月25日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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水曜「働く・暮らす」【トップに聞く】

道漁業協同組合連合会会長・川崎一好さん

写真: 拡大

写真:北海道の水揚げ量と生産高 拡大北海道の水揚げ量と生産高

 ■減る水揚げ量、骨太の予算を

 ――水揚げ量の減少に歯止めが掛かりません。

 「本来、北海道で捕れるはずの秋サケ、サンマ、イカ、ホッケが極端に減っています。一方、ブリといった南方系の魚が大量に捕れるようになりました。台風の上陸が増えたり海水温が安定しなかったり。自然環境の変化を感じます。ただ、それが魚の回遊や時期にどう影響を及ぼしているのかはっきりしません」

 ――漁業者への影響は。

 「我々漁業者だけでなく、加工や流通に携わる人の仕事もなくなってしまう。これまで一緒に、おいしく鮮度のいい魚を消費者の皆さまに届けてきましたが、これが崩れるのが一番怖い。北海道経済も落ち込んでしまいます」

 ――国は資源管理のため魚種に応じて毎年の「漁獲可能量」を定めています。

 「漁獲可能量は厳守しています。それなのになぜ、魚がこんなに減ったのでしょうか。沿岸漁業は決められた漁場に網を刺す『待つ漁業』です。ところが、ロシアと共有している海区や公海上では外国に無際限に捕られてしまう。国が、国際ルールを決めようとしているのは尊いことです。しかし、漁業者はどうやって食いつないでいけばいいのでしょうか」

 ――どのような対策が必要ですか。

 「漁を我慢している間、他の魚種があれば転換するのも一つ。しかしその魚種にも従来の漁業者がいます。3年、5年、10年我慢しろというのであれば、国には休業補償のような骨太の予算をつけてほしい。漁師がいなくなれば地域が崩壊する恐れもあります。学校、道路、病院をつくるくらいの気持ちで一次産業を守らなければなりません」

 ――日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が間もなく署名されます。自由貿易についてどのように考えますか。

 「安い魚が輸入され、消費者の皆さまが喜ぶのであればいいのではないでしょうか。我々は輸入されたものよりいいものをつくる。いまホタテの輸出が好調で『北海道』というブランド力もあります。原産地表示の制度を徹底してもらい、安心も売っていきたい」

 ――漁業も担い手不足が深刻です。明るい兆しはありますか。

 「少子高齢化で漁業に携わる若者も減っています。ところが、ホタテ、カキなどの養殖業は後継者が残っています。漁師は魚を追いかけるのがだいご味ですが、それだけでは不安定です。安定した収入につながる養殖業は育てる喜びもあります。もっと増やせば、北海道漁業は安定していくはずです」

 (聞き手・伊沢健司)

     *

 かわさき・かずよし 厚岸町出身。1996年から厚岸漁業協同組合の組合長。2013年に北海道漁業協同組合連合会の会長に就任。全国漁業協同組合連合会の副会長も務める。66歳。

 ■2年連続100万トン割る

 道漁業協同組合連合会によると、道内の水揚げ量は2017年が約84万トン(速報値)となり2年連続で100万トンを割った。この5年で主力の魚種は、秋サケが10万トンから5万トン、サンマが12万トンから3万トン、イカが7万トンから2万トンにそれぞれ減っている。一方、水揚げ量の低迷を背景に魚の価格は上昇傾向にある。

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