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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

受動喫煙には条例という道も 高橋将人

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●国立病院機構北海道がんセンター副院長 高橋将人

 2016年の国民生活基礎調査によると、全国の成人喫煙率は19・8%。年々低下していますが、それでもまだ、医療関係者はたばこをやめなさいと言い続けています。いったいなぜでしょうか?

 たばこを吸っている人は吸っていない人と比較して、がんや慢性呼吸器疾患になる率が高く、病気になる年齢も若い傾向にあります。喫煙者は「俺たちは税金をたくさん払っているのに」と声高に言われますが、吸わない人に比較してそれ以上に医療費を使用しており、社会保険料を消費しています。

 医師は、自分の担当した患者には病気から回復して欲しいと思っています。医師も人間です。その方の健康を必死で回復しようと思っているのに、肝心の本人に禁煙に協力していただけないと、つい強い口調で非難することになってしまうのかもしれません。

 たばこは、本人への問題以上に、まわりの人の健康に悪影響を与えることも問題です。こどもや体調の弱い方は受動喫煙による影響を受けやすいと考えられます。望まない受動喫煙をなくすという活動は、至極当然のことだと思います。健康増進法の改正案が国会で審議中ですが、大切な人たちを守るしっかりとした法律を作っていただきたいと思います。

 周辺へのにおいの問題やたばこへの増税などを契機として、最近、加熱式たばこや電子たばこの愛好者が徐々に増えています。これらは、通常のたばこに比べて健康への悪影響が少ないと言われていますが、本当でしょうか?

 現時点ではデータが少なく、健康面への影響の程度は正確には判定できていない、というのが正しいところだと思います。確かにタールの発生量は少ないですが、ニコチンは同様に発生しますし、発生した水蒸気が周囲へどのような影響を及ぼすかは、まだわかっていません。たばこの健康被害は長期間の影響も関連するため、統計学的な解析にもとづく結論には時間を要します。受動喫煙被害も、ないとは言い切れません。

 改正健康増進法が成立しても、実際には飲食店の50%以上が受動喫煙対策の対象外になるといわれています。最近元気のなかった小池都知事ですが、東京都が独自に受動喫煙防止条例を制定し、五輪までに飲食店を幅広く対象にしたのはあっぱれです。国ができないのであれば、条例という道もあります。患者さんやこどもの命を守るのは、みなさん一人ひとりの思いです! 

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