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金曜「ライフ・楽しむ」【わたし色】

持続可能社会のヒント… 美馬のゆり

写真: 拡大

 ■持続可能社会のヒント、縄文時代に?

 ●公立はこだて未来大教授・美馬のゆりさん

 北海道と北東北(青森・岩手・秋田の3県)の縄文遺跡群が、ユネスコ(国連教育科学文化機関)世界文化遺産の2020年登録を目指す候補に選ばれました。函館市の大船(おおふね)遺跡や垣ノ島(かきのしま)遺跡、伊達市の北黄金(きたこがね)貝塚などが含まれています。「カックウ」の愛称で知られる縄文時代後期の中空土偶は、北海道唯一の国宝です。

 縄文時代は、1万3千年前から約1万年間続いたといわれています。小中学生のころの社会科の教科書に、竪穴式住居や貝塚、土器の話が出ていたのを覚えています。最近ではさらに発掘、研究が進み、歴史的資料価値だけでなく、その文化的価値も注目されてきています。

  □  ■  □

 先日、東京国立博物館の特別展「縄文――1万年の美の鼓動」を訪れました。日本列島の様々な地域で出土した土器や土偶が展示され、その造形の多様性は圧巻です。

 同時期のヨーロッパやアジアと比較したコーナーもありました。ヨーロッパやアジアの土器が実用的でシンプルであるのに対し、縄文時代中期の土器は火焔(かえん)型土器に代表されるように、装飾的で、立体的で、力強いものでした。

 カックウがいる函館市縄文文化交流センターには、これまで10回以上訪れています。私のここでの一番のお気に入りは足形付土版(あしがたつきどばん)。文様を付けた粘土板に子どもの足を押し付けてその形を写し、残したものです。北海道・東北地方に偏って出土しています。

 幼くして亡くなった子どもの形見として身近につるす、あるいは副葬品だった、などと考えられています。これを見るたびに、数千年もの時を超えて変わらない、子どもへの愛情を感じます。

  □  ■  □

 現代では一般に、記録として残すための手段として、文書や写真があります。手軽に残せる一方で、すべてのものが重要性の高低なく、平板なものになってしまいます。それに対しこの粘土板は、「真」を「写」す「写真」として、その背後にある思いも含めて伝える力があるのです。

 縄文時代は、約1万年の間に大規模な気候変動も経験しています。自然環境に適応しつつ、狩猟しながら定住した時代。土器や土偶の美しい造形が文化として花開いたことから、安定した社会があったことをうかがい知ることができます。土器や土偶の製作には、森や海や命への思い、繊細な気遣い、技術があったことも近年の研究からわかってきています。

 食糧、環境、貧困、戦争など、様々な問題がある現代。持続可能な社会であるためのヒントが、縄文時代にはありそうです。

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