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水曜「働く・暮らす」【逸品 ひとモノ語り】

士別・丸三美田実郎商店「とろみちゃん」

写真:「とろみちゃん」を手にする太田孝夫会長(左)と寿一社長=士別市 拡大「とろみちゃん」を手にする太田孝夫会長(左)と寿一社長=士別市

 ■一手間省く おいしい救世主

 麻婆豆腐、中華丼、あんかけ焼きそば――。素材のうまさをまとめあげるのは、とろみだ。ただ料理する時、とろみをつける片栗粉の水溶きが面倒。そんな台所の一手間を省くのが「とろみちゃん」だ。

 調理中に、ペットボトルに入った顆粒(かりゅう)状の片栗粉「とろみちゃん」を振りかけるだけ。自在にとろみがつく。製造するのは、士別市にある社員15人の「丸三美田実郎(まるさんみたじつろう)商店」。1995年から販売を開始し、今では道内はもとより、都内のスーパーにも並ぶ。

 士別など道北は、戦前戦後、片栗粉工場が林立していた。同社もその一つ。しかし1980年代末には、農産物の輸入自由化を求める波が押し寄せてきた。「片栗粉も輸入品に市場を奪われる。工場がなくなる」。当時営業部長だった現会長、太田孝夫さん(68)らは、危機感を募らせた。付加価値として思いついたのが、「玉にならない片栗粉」だった。

 通常の片栗粉の粒子は、数十マイクロメートルと非常に細かい。粒子がもう少し大きく、サラサラなら、玉になりにくいだろう。91年から開発を始め、道立工業試験場(当時)と共同研究に取り組んだ。3年かけて乾燥方法を工夫、溶けやすい顆粒状片栗粉ができた。

 販売ルートもゼロからの開拓だった。太田さんがサンプルをもって、都内の会社を訪ね歩いた。「CMはいつ打つの?」「普通の片栗粉より高い」。とりつく島もなかった。

 それでも、口コミで少しずつ広がった。母親向け雑誌に「離乳食で使うと便利」と特集された。今では、年間200トンを出荷するほどになった。

 今年、大手食品メーカーも類似商品を市場に投入してきた。太田さんは「市場はまだ大きい。大手さんが宣伝すれば、隣に並んでいるうちの商品も買ってもらえる」と笑う。

 課題は、とろみちゃんに続く商品。これまでも、ニンニクやショウガの粉末を混ぜたものに挑戦したが、製品化までたどりついていない。今年6月、社長の座は、太田さんから息子の寿一さん(34)に引き継がれた。寿一さんは「北海道の原材料を使った、新しい商品展開をしたい」。挑戦は続く。

 (本田大次郎)

    ◇

 「丸三美田実郎商店」は、1923(大正12)年創業。年商7億円弱で、米やジャガイモなど農産物、肥料、農薬なども扱う。「とろみちゃん」は、200グラム入りペットボトル1本が標準小売価格330円(税別)。問い合わせは0165・24・2331へ。

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