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水曜「働く・暮らす」【トップに聞く】

札幌弁護士会会長・八木宏樹さん

写真:札幌弁護士会の八木宏樹会長=2018年8月28日午後3時51分、札幌市中央区 拡大札幌弁護士会の八木宏樹会長=2018年8月28日午後3時51分、札幌市中央区

写真:札幌弁護士会館の2階には、法律相談センターが設けられている=札幌弁護士会提供 拡大札幌弁護士会館の2階には、法律相談センターが設けられている=札幌弁護士会提供

 ■全ての地域で法律相談を

 ●札幌弁護士会会長・八木宏樹さん(53)

 ――就任から5カ月が経ちました。力を入れて取り組んでいることは何ですか。

 「地方で裁判所や検察庁、法律事務所などを利用しにくいという『司法過疎』の問題です。北海道は広く、集落が点在しており、それらがあるところは大きな都市などに限られています。人が住んでいる以上は色々なトラブルが発生するので、私たちとしては、弁護士に相談できる体制を作る努力をしています」

 ――具体的には、どのようなことをしていますか。

 「それぞれの地域の集会所などを利用して、弁護士が定期的に法律相談を受けに赴く『法律相談センター』があります。管内の市町村をいくつかのグループに分け、週に1回は必ずグループ内のどこかの市町村で相談ができるようにしています。札幌弁護士会は全国で唯一、相談料を全面無料化しています」

 ――相談内容はどのようなものがありますか。

 「私が担当した相談は、遺言書を作るにはどうしたらいいかや、クレジットカードの過払い金の請求などです。自治体の職員の方が、空き家を取り壊すために相続人を調べたいと来られることもあります。相談の種類は、都市部も地方もそんなに変わりません」

 「人口密度が10分の1だから、相談の機会も10分の1というのでは不公平です。法律は権利を守るための最後のとりでですから、どこにいても弁護士にアクセスできるような体制が必要だと考えています」

 ――5月3日の憲法記念日に、いまの国民投票法のもとでの憲法改正に反対する会長声明を出しました。

 「日本国憲法には『国民主権』『基本的人権の尊重』『平和主義』という3原則があります。また、そもそも憲法には国家権力を縛る『立憲主義』という役割があります。こうしたものを変えてしまうような憲法改正は認められません」

 「くわえて改正のための手続きを定めた国民投票法には様々な問題があると思います。例えば、最低投票率を定めていないため、ごく少数の国民の賛成で改正されかねません。主権者の国民の意思を正確に反映できなくなります」

 「こうした問題を放置したまま改正を進めるのは妥当ではないというのが私たちのスタンスです」

 ――自民党総裁でもある安倍晋三首相は8月、秋の臨時国会に自民党の憲法改正案を提出する考えを示しました。

 「現実的にありうることだと考えるべきです。9条は最初に議論のテーブルに乗ってくるかもしれません。その時に、きちんと議論できるような土俵づくりをするにはどうしたら良いか、考えています」

 「国民のみなさんが『こんな問題もあったのか』と関心をもってもらえるようなきっかけを提供できればと思っています」

 (聞き手・布田一樹)

     *

 やぎ・ひろき 1965年、秋田県生まれ。96年に弁護士登録。2012年度に札幌弁護士会副会長。18年4月から同会会長を務める。北海道弁護士会連合会副理事長も兼ねる。53歳。

 ◇札幌弁護士会は会員数798人(4月1日現在)、地域司法対策委員会や憲法委員会など約50の委員会がある。札幌地裁本庁の管内で活動する弁護士は754人だが、各支部の管内は計44人で会員全体の約6%。各地の法律相談センターの情報は(https://www.satsuben.or.jp/center/)まで。

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