メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

09月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

特殊型食物アレルギー、対応は 高橋豊

写真: 拡大

写真: 拡大

写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●KKR札幌医療センター・小児科特任部長 高橋豊

 食物アレルギーは乳幼児に多い病気だ。最近、原因となる食物を完全除去せず、症状が出ない量を食べていくと良くなることが分かってきた。今後は年長児まで持ち越す例が減ることが期待される。

 年長児になって発症する食物アレルギーの特殊型の一つに「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」がある。それまで食べられていた食物で症状が誘発されるようになり、食べたあとに運動することで強いアレルギー症状(アナフィラキシー)を起こす。

 ほとんどの例で全身の発疹が出現し、70%にせきや喘鳴(ぜんめい)、呼吸困難といった呼吸器症状がある。さらに約半数の例では失神したり、立てなくなったりといったアナフィラキシーショックがみられる。

 発症のピークは10〜20歳代で、中学生は6千人に1人と多くはないが、小児科領域でも経験する疾患だ。最近ではこの疾患が医師や学校現場で広く知られるようになり、受診する患者も増えている。男児に多く、原因食物は小麦、甲殻類が多いが、果物や野菜の報告も増えている。

 原因となる食物摂取から運動開始までは2時間以内、運動開始から発症までは1時間以内が多い。運動種目はサッカーなどの球技やランニングなどの負荷の大きい種目が多いが、早足の散歩や、入浴中に発症した例もある。典型的な症状や病状が複数回あればそれだけで診断が可能だ。

 成人で原因が小麦の場合、血清学的診断がある程度可能だ。だが小児では、他の原因食物の場合も含め、血液検査ではわからないことが多い。疑わしいときは負荷試験を行い、運動負荷のみ、原因食物の摂取のみでは症状が誘発されないことを確認したうえで、食べた後の運動で誘発されることで診断を確定する。しかし負荷試験では症状が誘発されない場合も多く、さらにアスピリンを飲んだうえで負荷を掛けることもある。

 症状の誘発を予防する薬剤は、今のところない。診断が確定、あるいは極めて疑わしい場合、原因食物を摂取したら2時間は運動しないことを原則とし、皮膚の違和感やじんましんなどの軽い症状が出現した段階で運動を中止し、抗ヒスタミン薬を飲む。

 何度も繰り返し発症する場合や重症例にはエピペン(アドレナリン自己注射)の携帯が望ましい。原因食物の完全除去や運動制限といった過剰な指導を取らないような配慮も必要であり、担任、養護教諭、保健体育担当教諭との情報共有が重要となる。

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

北海道報道センターから

北海道アサヒ・コムへようこそ。
身のまわりの出来事やニュース、情報などをメールでお寄せ下さい(添付ファイルはご遠慮下さい)
メールはこちらから

朝日新聞 北海道報道センター 公式ツイッター

注目コンテンツ