メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

05月20日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

「女性減点」日本の働き方映す 高橋将人

写真: 拡大

写真: 拡大

写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●国立病院機構北海道がんセンター副院長 高橋将人

 文部科学省官僚に便宜を図ったとされる東京医大の入試で、さらにとんでもない問題が明らかになりました。受験生にまったく説明もなく、入学試験で女性を一律減点していたというのです。

 女性医師は出産、子育てなどを契機に離職する場合があります。「せっかく医者になったのに、なんで辞めるの?」と思われるかもしれませんが、それには医師の仕事の特殊事情があります。医師は休日、夜間の出勤などが必要なケースは珍しくありません。当直業務も定期的に行っており、当直後の翌日に通常業務を行うのも普通です。

 女性医師をサポートするシステムも徐々に整ってきてはいます。当直、オンコールの免除や保育園のお迎えができるような短時間勤務など、以前に比べれば子育て中の女性医師が離職せず仕事が続けられるようになってきました。

 しかしながら、まだまだ解決できない問題があります。勤務中に保育園に預けている子供の発熱など緊急時の対応では、預け先として親・親族などに頼るケースが多く、勤務している夫が対応するのは難しいのが現状です。

 子供の緊急時には、働いている女性側がなんとか対応するのが当たり前。働いている夫が対応するなど考えられないというのが、今の日本の現状だと思います。

 出産、子育ての時期は、医師のキャリアにとっても非常に重要な時期です。キャリアや経験を男性と同様に積むことができれば、実力に男女差はありません。しかし、同期の男性医師に比べて勤務時間が少なくなれば、実力がつきづらいこともあります。

 男性医師が出産、子育ての問題で悩むことは少なく、やむを得ず離職や休職する可能性があるのは女性医師がほとんどです。その際、すぐに医師の補充は困難なことから、現場が男性医師を望む声があることは否定できません。

 しかし、そんな理由だけで大学が単純に女性の合格者を制限するのは問題です。経験豊富で実力のある女性医師が増えれば、男性医師が気づきにくいこまやかな対応が可能となり、患者にも大きなメリットになると思います。

 これを医療界だけの問題と狭小化するのではなく、子育ては女性だけでなく働いている男性も関わるという社会全体の認識が必要です。東京医大の一律女性減点は、日本の働き方の現状を反映した鏡です。子供を育てやすく、女性も働きやすい社会に変わることが今、問われています。

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

北海道報道センターから

北海道アサヒ・コムへようこそ。
身のまわりの出来事やニュース、情報などをメールでお寄せ下さい(添付ファイルはご遠慮下さい)
メールはこちらから

朝日新聞 北海道報道センター 公式ツイッター

注目コンテンツ