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金曜「ライフ・楽しむ」【わたし色】

北海道の厳しさが知恵を育む 美馬のゆり

写真: 拡大

 ●公立はこだて未来大教授・美馬のゆりさん

 今夏、北海道命名150年の式典に参加しました。舞台ではアイヌ民族の伝統芸能である口承文芸やトンコリとムックリの演奏、地域の伝承芸能である松前神楽、江差追分などが披露されました。北海道の歴史を振り返る映像も紹介される中で、今いる自分との関わりを考えました。

 私の住む函館は江戸時代、江差、松前に次ぐ松前藩の交易港でした。その後、日米修好通商条約で開港した5都市(神戸、長崎、新潟、函館、横浜)の一つとして、海外の文化が多く入ってきました。

 五稜郭公園には、顔のレリーフのついた石碑があります。訪れる多くの人がその顔をなでていくので、そこだけ光っています。でも皆さん、この人が誰なのか、何をした人なのかはあまりご存じないようです。伝わっているのは、その人の頭をなでると自分も賢くなれるということ。

  □  ■  □

 石碑には、武田斐三郎(あやさぶろう)、五稜郭を設計し、諸術調所(しょじゅつしらべしょ)の教授だったと記されています。彼の興味関心は西洋兵学と築城技術のほか、洋式の溶鉱炉の建設、耐火れんがの開発、砂鉄や炭鉱の採鉱、冶金(やきん)など広範囲に及び、さらには国産ストーブ第1号を製作したと言われています。

 諸術とは現代で言えば科学技術のこと。調所は研究・教育機関です。当時調所は武士の子弟が通うところでしたが、斐三郎は資質とやる気があれば身分を問わず、全国から若者を受け入れました。出身者には、郵便の創設者である前島密や、日本の鉄道の開業に尽力した井上勝などがいます。

  □  ■  □

 諸術調所では、兵学、天文学、数学、物理学、化学、測量、航海、造船技術など、理工学に重きを置いていました。その教育は講義よりも実験や実習が主で、対話し学び合うスタイルだったと言われています。

 現代の代表的な科学技術である情報技術は、すでに私たちの生活に広く浸透しています。北海道にあっては、農業や漁業と結びつき、働く人たちの労力を軽減するだけでなく、資源管理を行いつつ、生産にも貢献しています。

 一方で、ひとたび停電があると様々な機能が停止してしまうことも経験しました。厳しい気候、広大な面積の北海道は、首都圏に比べ何かと不利であるように思いがちです。しかし、この厳しさを私たちの知恵と科学技術でより快適に、より豊かなものにすることもできるはずです。

 人は、制約があるから考える、知恵を絞る。150余年前と同様に、若者を引きつけ、育てていくことで、北海道ならではの新しいものが出てくるのではないでしょうか。

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