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水曜「働く・暮らす」【現場一話】

「家族の会」支え合い30年

写真:認知症の人の家族やグループホームの施設長らがみとりについて語った会合=7日、札幌市中央区 拡大認知症の人の家族やグループホームの施設長らがみとりについて語った会合=7日、札幌市中央区

写真:認知症の電話相談件数と「家族の会」会員数 拡大認知症の電話相談件数と「家族の会」会員数

 ■認知症介護、配偶者からの相談増

 認知症の人を介護する家族が互いに支え合う「北海道認知症の人を支える家族の会」が1987年の創設から昨年、30年を迎えた。認知症の人を取り巻く状況や家族の悩みは30年で変わったのか。

 札幌市内で7日、同会主催の「『看取(みと)り』での経験を語る会」が開かれた。認知症の母を介護し、3年前にみとった江別市の女性が体験を披露。「笑いを多くするよう心がけた」としつつ、「言うことをわかってもらえず大きな声を出したこともある」と打ち明けた。「食から考える人の尊厳」と題したグループホームの施設長の講演もあり、家族を介護中の人ら約70人が熱心に耳を傾けた。

 「家族の会」では、認知症の人を介護中だったり、経験したりした人が互いに支え合う。会員数は昨年度時点で2516人と、ピークだった2000年度の5221人から半数を割り込んだ。介護保険法の改正に伴って06年度に設置された「地域包括支援センター」など、相談できる機関が増えたためとみられる。

 会の主要な活動の一つが相談業務だ。10年度以降は道の委託を受け、「北海道認知症コールセンター」(011・204・6006)として電話相談に応じている。年末年始や祝日を除く月〜金曜の午前10時〜午後3時、電話2台で受け付ける。

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 西村敏子事務局長によると、かつては40〜60代の女性からの相談が多かったが、核家族化が進み、現在は80代の夫婦のどちらかが連れ合いについて相談を持ちかけるケースが増えたという。

 「一家の嫁ではなく実子、特に男性からの相談も目立つようになった」と西村さん。男性の場合、「どこの病院で診てもらえるの」とストレートな質問が多いが、病院でどんな困りごとがあるかを説明できるよう、物忘れの状況や意欲が低下しているかなどを詳しく聞いている。

 具体的にどんな相談があり、どう対応しているのか。支部の「札幌認知症の人と家族の会」で尋ねた。

 飛嶋弘子会長らによると、典型的な相談の一つは、周りは異変に気づいているが本人は気づかず、病院にかかりたがらないというもの。以前からある相談だという。認知症の母親をみとった経験を持つ札幌市西区の大野孝さん(72)は母を納得させるため、「年1回、いろんな検査をしてくれる健診があるから一緒に受けよう」と誘い出した。相談を受けたときはそうした自身の体験を伝えている。

 本人はもちろん、家族も認知症と認めたがらないケースは依然多い。男性が認知症になると、社会的地位が高いほど妻は認めたがらず、女性が認知症になると、夫はつくそうとするあまり、抱え込んでしまうことがあるという。

 「家族の会」の課題は、相談に応じるボランティアの世代交代が進まないことだ。相談の利用者は高齢者が多く、連れ合いをみとってまもなく自身が介護を受ける立場になるなど経験が引き継がれにくい。「認知症の人の介護の経験者同士だからこそ分かち合えることがある。少しずつでも次の世代を増やしたい」と西村さんは言う。

 (片山健志)

 ■電話相談「症状への不安」最多

 「北海道認知症コールセンター」への相談実績は、道から「家族の会」に委託された10年度から昨年度までの8年間で計3393件にのぼる。年によって多少の差はあるが、少ない年でも400件ほどある。これまでで最も多かったのは15年度の508件、昨年度は397件だった。

 相談内容の内訳をみると、複数回答で「症状への不安」が45.0%と最も多かった。続いて「認知症の症状への対応方法」(38.8%)、「介護ストレス」(24.0%)、「病院など医療機関」(20.7%)などとなっている。

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