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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

子のスポーツ障害に理解を 寒川美奈

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●北大大学院保健科学研究院准教授 寒川美奈

 子どもの運動習慣が二極化しているといわれています。定期的に運動を行っていない子どもたちの運動能力の低下が問題視される一方、部活動などでスポーツをする子どもたちには、練習時間の増加や熱心過ぎる指導などが原因とみられる成長期特有の疾患が増えています。

 子どもに発生するスポーツ障害には、いくつかの特徴があります。特に成長期は、骨端軟骨と呼ばれる軟らかい部分に繰り返し負荷が加わることが、けがにつながりやすいといわれています。また、身長が急激に伸びる時期でもあるため、骨の成長に筋や腱(けん)の成長が追いつかず、関節が硬くなりやすいこともけがの誘因となりやすいと考えられています。

 野球の投げる動作の反復によって起こる肘の痛みは「野球肘」と呼ばれ、少年野球の選手の3人に1人に起きているという報告もあるほど多く発生しています。一般的には、投球動作によって肘の内側の靱帯(じんたい)が引き伸ばされることで生じる、肘内側の痛みのことを指します。

 一方、小学校高学年から中学校の野球選手に起きやすい「離断性骨軟骨炎」は、投球による過度のストレスが肘に集中することで肘外側の骨が衝突し、軟骨に炎症を生じる疾患です。初期はあまり痛みを感じない場合も多いのですが、症状が進行すると肘の曲げ伸ばし運動への制限や、関節への変形を起こしやすく、競技を続けることに支障が出ることもあります。

 成長期の子どもたちを守ろうと近年、小・中学生を対象に全国的に行われている「野球肘検診」は、非常に興味深い取り組みです。

 検診では、医師や診療放射線技師、臨床検査技師による超音波などを用いた検査と、理学療法士やトレーナーによる関節可動域の評価、投球フォームのチェック、ストレッチのアドバイスなどが、学校や行政・医療機関において行われています。

 このような成長期特有の疾患に対しては、基本的には一時的に競技を休ませ、患部へのストレスを低下させることが大切です。多くの場合、それで再び競技へ復帰できるようになります。しかし、無理をして競技を続けてしまった場合、骨に変形を起こしてしまうこともあります。

 症状を早期に発見して重症化を防ぐためには、選手本人だけでなく指導者、保護者にも疾患への理解を深めていただくことが大切だと考えられています。

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