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水曜「働く・暮らす」【トップに聞く】

第1管区海上保安本部長・新田慎二さん

写真:第1管区海上保安本部の新田慎二本部長 拡大第1管区海上保安本部の新田慎二本部長

写真:小樽港沖で9年ぶりに行われた第1管区海上保安本部の総合訓練。一般公募の市民も招かれた=2017年7月 拡大小樽港沖で9年ぶりに行われた第1管区海上保安本部の総合訓練。一般公募の市民も招かれた=2017年7月

 ■被災者の生活支援も積極的に

 ――木造船の漂流・漂着が相次いでいます。全国で152件、うち道内で61件になりました。

 「昨年、道内でわずか6件だったが、10倍に急増しました。朝鮮半島からイカを追って北上した木造船が今夏の相次ぐ台風などで遭難し、漂着したとみています。海流や季節風の影響に加え、北海道西方沖まで操業範囲が広がったことも理由と思われます」

 「巡視船と航空機で哨戒し、排他的経済水域(EEZ)で違法操業する外国船には警告し、退去させています。能登半島沖のイカの好漁場『大和堆(やまとたい)』を抱える第9管区(新潟)では、違法操業の外国漁船が絶えず、第1管区から応援に出ているのが現状です」

 ――北方四島やサハリンとも接し、領海警備は主要な任務です。

 「一衣帯水のロシアとの関係は大切です。北方四島周辺で日本漁船の拿捕(だほ)を未然に防ぐため、根室海峡に巡視船を配備・監視し、漁業者に拿捕防止の指導をしています。しかし今年1月に根室沖で日本漁船がロシアに拿捕されています。漁業は北海道の基幹産業のひとつ。豊富な水産資源を管理するため北海道庁や水産庁と連携が欠かせません」

 ――サハリン州国境警備局と密輸取り締まりなどの合同訓練が続いています。

 「合同訓練は2000年に日ロ両国の覚書に基づき、ほぼ毎年両国で交互に行い、顔の見える関係構築を進めています。同国境警備局からの情報交換で、昨年11月と今年8月、オホーツク海の日本EEZ内でカニかご漁をしていた外国船籍のロシア人船長を漁業主権法違反容疑で逮捕するなど、成果をあげています」

 ――船舶事故や傷病人搬送など昼夜を問わずに仕事をしている印象があります。

 「今年4月以降、200件以上の出動がありました。片道700キロを超える太平洋上での救助もありました。医師を巡視船や航空機に乗せて治療しながら陸上の病院へ搬送する洋上救急も2件ありました」

 ――今年は海上保安制度の創設から70年です。胆振東部地震など大規模災害での対応も求められています。

 「今回の地震では、東京・羽田空港から『海猿』として知られる特殊救難隊員がヘリから被災地に降下し、被災者を捜索したほか、医師や自治体職員の空輸、巡視船による市民への給電サービスなどを行いました。地震に限らず、台風、水害、火山噴火の自然災害で、人命救助・捜索のほか、緊急物資輸送や給水、入浴など被災者の生活支援も積極的に関わっていきたいと考えています」

 (聞き手・佐久間泰雄)

     *

 にった・しんじ 鳥取県出身。東大法学部卒業後、1989年に運輸省(現国土交通省)に入省。海上保安庁警備救難部国際刑事課長、国交省自動車局総務課長などを経て、昨年8月から現職。53歳。

 ■冬季は「海氷速報」提供

 海上保安庁は日本を取り巻く海を11の管区に分け、海の安全・安心を守っている。北海道は第1管区(小樽市)が担当し、道内15カ所の海上保安部署と三つの航空基地がある。巡視船艇37隻、航空機15機を保有し、定員は約1250人。冬季には流氷の動きを「海氷速報」で提供している。

 昨年11月には、松前町沖の松前小島で北朝鮮の木造船が接岸し、乗組員が発電機などを盗む事件が起き、対応にあたった。

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