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水曜「働く・暮らす」【逸品 ひとモノ語り】

池田・米倉商店の「バナナ饅頭」

写真:バナナ饅頭を手にする米倉寛之社長。後ろの機械では、スタッフがバナナ饅頭を焼いている=池田町大通1丁目 拡大バナナ饅頭を手にする米倉寛之社長。後ろの機械では、スタッフがバナナ饅頭を焼いている=池田町大通1丁目

 ■香料がミソ、愛されて100年

 池田町のJR池田駅の真向かいにある「レストランよねくら」(米倉商店)。店頭に置かれた看板には、バナナの絵とともに「バナナ饅頭(まんじゅう)」の文字。100年以上にわたり、沿線住民に愛されている銘菓だ。

 8センチほどのバナナを模した形だが、バナナは入っていない。原料は、小麦粉、砂糖、鶏卵、白あん、はちみつなど。ミソなのは、バナナの香料が入っていることだ。

 米倉商店が、開業したばかりの池田駅でバナナ饅頭の販売を始めたのが1905(明治38)年。初代の米倉三郎氏が、開拓者や旅行者に、当時高価なバナナの味や香りを味わってもらおうと考案した。

 当時、バナナは台湾から輸入が始まったばかり。「バナナなんて、池田では誰も見たこともない頃だと思います。新しもの好きの初代が、東京まで出向くなどして、情報を仕入れ、香料などを手に入れてきたようです」と4代目の米倉寛之社長(53)は話す。

 鉄道網の発展とともに、池田駅は、根室線と池北線が分かれる交通の要衝に。乗り換え客などにバナナ饅頭は土産物として定着。特急の車内販売で売られていたこともあり、今では、幅広い世代に愛されている。

 「初代の頃からレシピは変えていませんが、年配の方から『小さくなった』と言われることがあります。そんなことはないのですが……」と米倉社長。製造は職人の手焼きから機械化したが、焼き型の大きさは同じ。かつては、小さめの経木の箱に詰め込みぎみに販売していたので、そう感じる人が多いのだろうと推察している。

 ただ、昔ながらの味に危機が訪れたことがある。10年ほど前、香料会社が原材料の入手難を理由に、今まで通りの香料を製造できなくなるかもしれないと言ってきたのだ。

 別の香料会社にサンプルを持ち込み、試作を頼んだが、どうしても同じ香りにならなかった。あきらめかけた時、元々の香料会社の上役が「長いつきあいがあるから」と、これまで通り、製造を続けてくれることになったという。

 米倉社長は「ここまでお客様の記憶に残る味になっているので、変えられない。これまでの歴史を大事に、作り続けていきたい」。

 (中沢滋人)

    ◇

 米倉商店は1903(明治36)年創業。雑貨などを商っていた初代・米倉三郎氏が、池田駅開業を受け、05年に駅で弁当販売を開始。同じ年、土産物としてバナナ饅頭を考案した。当時と同じ弁当「親子弁当」(648円)は、現在も販売している。バナナ饅頭は8本入り(620円)と16本入り(1240円)。帯広駅や釧路駅などでも販売している。「レストランよねくら」店内では、ミルク付きで8本入りを食べることも出来る。時間帯によっては焼きたてを食べることも可能。日によって違うが、昼前が狙い目という。木曜休み。問い合わせは同社(015・572・2032)まで。

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