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水曜「働く・暮らす」【現場一話】

北海道対がん協会

写真:2台並んだ北海道対がん協会の検診車=伊達市保健センター 拡大2台並んだ北海道対がん協会の検診車=伊達市保健センター

写真:伊達市保健センターに派遣された乳がん検診車内の待合室。中央奥に見えるのがマンモグラフィーの検査機器=北海道対がん協会の「すずらん6号」 拡大伊達市保健センターに派遣された乳がん検診車内の待合室。中央奥に見えるのがマンモグラフィーの検査機器=北海道対がん協会の「すずらん6号」

 ■検診車巡回、「がん征圧」めざす

 日本人の2人に1人が「生涯のうち一度はかかる」とされるがん。ただ、医学の進歩により、かつてのような「不治の病」ではなくなってきている。重要なのは早期発見だが、そのカギを握る「がん検診」の受診率は北海道が全国に比べて低く、大きな課題になっている。できるだけ多くの住民に検診を受けてもらおうと、道内各地を奔走する北海道対がん協会の「検診車」の活動を追った。

 7日、伊達市役所第2庁舎にある「伊達市保健センター」の通用口に、2台の大型車が横付けされた。それぞれ「子宮がん」「乳がん」の検診を車内で行う検診車だ。

 道内ほぼ全域で大雪となったこの日は、比較的雪が少ない太平洋側の伊達市でも、早朝から雪が降り積もった。あいにくの天気のなか、午前と午後2回に分けて行われた集団検診には、定員いっぱいの子宮がん約200人、乳がん約100人が受診した。

 これまでは職場が行う病院での検診を受けていたという山田美和さん(48)。退職したため、今回初めて市のがん検診を受けたが、「待ち時間が短く、受診がスムーズで驚いた」。公務員の女性(45)も「申し込みから実際の受診まで、とても気軽にできた」と満足そう。二人とも「機会があったらまた受診したい」と笑顔で話した。

 同市の保健師・原綾香さんは「がん検診は、私たちが市民の健康に関わることができるとても重要な機会。病院ではなく、市の施設で行える検診車での集団検診は、市民の方に気軽に来てもらえるメリットも大きい」と話す。

     *

 がんは長年、日本人の死因の1位を占め、その割合は3〜4人に1人。検診車を派遣した「北海道対がん協会」は、全国で最初の対がん協会として1929年に設立された。札幌・旭川・釧路にある「がん検診センター」でのがん検診や、早期発見の普及・啓発などを通じ、「がん征圧」を目指す。

 各市町村が行う集団検診のサポートも重要な役割の一つ。特に広い北海道では、胃・肺がん18台、子宮がん2台など、全国最多の計25台の検診車を所有。全道を走り回っているという。2016年度は、同協会で行ったがん検診の受診者は約68万人。そのうち、検診車での受診は約40万人に上った。

 乳がん検診車の場合、運転技術員1人と放射線技師2人がチームを組み、各地を巡回する。今回も、7日に伊達市に来る前は仁木町で検診を行い、次は島牧村に回った。スタッフは、夏などの繁忙期は月の約半分は検診車で道内を巡っているという。

 医学の進歩に合わせ、新しい技術も取り入れている。乳がん検診は、ガイドラインなどで定められているマンモグラフィーによる検査に加え、超音波による検査も併用することで、一部の人にはより正確にがんの早期発見につながることが分かってきている。最新の知見を踏まえ、最新の「すずらん7号」には、道内で初めてとなる超音波検査ができる設備が導入された。

 同協会の黒蕨(くろわらび)邦夫・事務次長は「道内のがん検診の受診率をなんとか上げたいというのが私たちの望みです。最新機器の導入が、そのきっかけになってくれればうれしいです」と話す。

 (田之畑仁)

 ■道内受診率、全国平均下回る

 国は2007年に「がん対策推進基本計画」を策定。がんの種類によって推奨される検査を示すなどして、がん検診の普及を進めている。計画は12年に見直され、がん検診の受診率については「5年以内に50%(胃、肺、大腸は当面40%)」を掲げている。

 道内の受診率は、全国に比べて低く、16年度の厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、胃がん35.0%(全国38.4%)、子宮がん33.3%(同35.6%)、乳がん31.2%(同36.2%)、肺がん36.4%(同43.3%)、大腸がん34.1%(同39.1%)と、いずれも全国平均を下回っており、大きな課題となっている。

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