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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

なでる・さする…、看護の原点 大日向輝美

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●札幌医大保健医療学部長 大日向輝美

 11月14日のNHK「探検バクモン」を見た。テーマは、「看護師さんの心 ご存じですか?」。爆笑問題の2人と医師の西川史子氏が日本赤十字看護大学を訪れ、看護の基本を学ぶ授業に潜入した。

 最初に取り上げたのが、患者に安心感を与える「さわり方」について。番組では出演者が看護師役と患者役になって背中のさわり方を体験。患者役によれば、経験25年の教員が手本で示した技とは心地よさの質が違ったらしい。

 そこで今回は「さわる」ことについて。

 漢字の「看」は、手と目からなる。字義の正しさはさておき、看護学を学び始めた学生は「手と目を使って患者を護(まも)る」のが看護だと習う。患者の身体に手を当てるのは、まさに看護の原点といえる。

 脈をとる、体位を変える等々、看護行為の多くは手で患者に触れる。その際に重視するのは、心地よい触れ方をすること。例えば、動けない患者の腕の位置を変える時、看護師は両手を使って下から支える。上から腕をつかむことはしない。支える方が関節に負担をかけないし、相手を尊重する気持ちも伝えられるからだ。

 看護行為で患者に触れるのとは別に、触れることでケアをする「意図的タッチ」と言われる技術がある。番組で爆笑問題が体験したものだ。「意図的タッチ」とは、症状緩和や不安軽減を目的に、意図的に患者の身体に触れること。コミュニケーションを促す手段としても用いられる。

 タッチには、なでる、さする、圧するなど、様々なやり方がある。現場では苦痛を軽減し、安楽を促す技術として経験的に行われてきたが、研究の進展により科学的根拠が明らかになってきた。

 看護師は、患者の心身の状態や目的によって、触れる部位や触れ方を使い分ける。背中へのタッチは、リラックス効果や不安軽減に有効だ。

 背中をさする時は、手を両肩に置いて開始の合図を送り、両手全体で逆U字に大きく動かす。速度は1秒間に5〜10センチ、圧する強さは400〜800グラムくらいがよい。ある程度の圧を加えるのが重要で、軽くなでても効果は薄い。また、会話しながらのタッチによってリラックス効果は一層高まり、信頼関係が深まることも実証されている。

 最近は、看護業務の機械化や効率化で、患者に触れる機会が少なくなっていると言われる。看護の原点である手で触れるケアをおろそかにしないように心掛けたいものだ。

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