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水曜「働く・暮らす」【逸品 ひとモノ語り】

北斗の福地建装「ファースの家」

写真:福地脩悦会長=北斗市 拡大福地脩悦会長=北斗市

 ■省エネ工法、SDGsに賛同

 独自の高断熱住宅を開発して、省エネルギーの住宅「ファース(FAS)の家」を全国でフランチャイズ展開している。「エアコン1台で住宅全体の冷暖房をまかなえる」をうたい文句に、住宅気密や断熱性を高めた独自工法のオール電化住宅で、1993年から販売する。

 福地建装の創業は1967年。東京でとび職をしていた福地脩悦会長(74)が立ち上げた。その後、ふるさとの北斗市に戻り、家造りに邁進(まいしん)。しかし、仕様書通りにつくった家でも、施主から結露の発生などでクレームを受けた。専門家に相談しても「腕が悪い」と言われるばかり。これを機に独学で新工法に開発に取り組んだ。

 そこで注目したのが冷蔵庫だった。これまでの住宅用の断熱板では、どうしても継ぎ目が出来てしまう。より高い密閉性を達成するため、冷蔵庫の断熱材に使われていた樹脂の発泡材に目を付け、「住宅に応用できないか」と思いついた。地方工務店の無理な注文にはじめは冷ややかな反応だったが、根気よく説得を続け、興味を持った繊維メーカーの協力を得た。

 開発した工法は、外断熱板の内側に発泡させた樹脂断熱材をふきつけ、建物全体を覆う。継ぎ目を無くすと、より高い断熱性と気密性が確保でき、少ないエネルギーで効率的な冷暖房ができるという。

 また、夏は涼しく、冬は暖かい日本古来のかやぶき屋根の住宅にも着目した。自然に湿度調整ができるためで、床下に調湿剤を敷いて湿度を調整。窓からの日射熱を蓄え、強制換気システムで屋内の空気を対流させて、灯油やガスを使わずに温度や湿度を保てるよう工夫も凝らした。

 「家は住む人の健康だけではなく、自然環境にも大きな影響を与える」と福地会長。国連が掲げる持続的な開発目標「SDGs」にも賛同し、加盟の工務店を対象に勉強会を開いている。外務省もSDGsに積極的な企業と認め、同省のホームページで同社の取り組みを紹介している。

 福地会長は「豊かな住宅は、健康や教育を育む。省エネを徹底すれば、資源の節約にもつながる。住宅はSDGsの理念のコアな部分を担っている」と話す。

 「人生100年時代」と言われる。住む人が快適で健康に暮らせて、長くつきあえる。住宅が100年を超える長寿命となるよう、いまも研究を続けている。

 (宋潤敏)

     ◇

 「ファース(FAS)」はフクチ・エアクララ・システムの略。北海道から鹿児島まで190社の中小の工務店がフランチャイズ方式で施工している。ファースの家は1993年から販売し、2018年までの建築実績は約6千棟。高気密・高断熱に関して同社がこれまでに出願した特許件数は100件を超える。従業員23人。資本金は6千万円。18年12月期の売り上げは約9億8千万円。本社・北斗市中野通324番地。

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