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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

命守るため、子供に「がん教育」 高橋将人

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●国立病院機構北海道がんセンター副院長 高橋将人

 2017年に始まった第3期の「がん対策推進基本計画」で、「国はがん教育の充実に努める必要がある」と明記されています。大人にも難しいがんを、なぜ子供に教える必要があるのでしょうか?

 いちばん重要なのは、がんが命に関わる病気であるということ。どんな病気なのか、どうすれば少しでもならずにすむのか、なってしまったらどうしたらいいのかという情報は、一度くらい聞く機会があってもいいと思います。

 まだ多感な成長期に「死」に関わる話はどうなのかという意見は、確かにそのとおりです。ただ、命に関わるとはいえ、今やがんは「不治の病」ではありません。配慮をしっかりとしたうえで正しい知識を教えることで、むしろ過剰に恐れたり侮ったりすることがなくなると思います。

 二点目は、子供に対するがん教育は、親の世代に対するがん対策としても非常に大きな力になり得ることです。

 子供にがんの話をするとき、私は必ずたばこの害の話をします。がんとたばこの強い相関関係を説明することでその子が将来、喫煙しない大人になってもらえればと思っています。

 さらに、大切な人をがんで失わないために、家族にたばこをやめてもらうよう、家で話してもらうようにもしています。自分の子供からお願いされれば、たばこをやめる大人も増えると思うのです。

 第三に、がん教育は社会全体に影響を与えることができる点です。飲食店のアルバイトで働く際に、受動喫煙防止について当事者としての意識が芽生えることが期待できますし、がん検診の積極的な受診にもつながるはずです。

 大事な方ががんになった場合にどうすべきなのか。もし死が迫った場合、どうするのが自分らしいのか。もっとも大事であるにもかかわらずタブーとされてきたことも、家族や社会で真剣に話し合うことができるかもしれません。

 がんをどのように避け、戦い、受容していくのか、医療の保険制度やインフラ整備などについても、社会全体で考えることができるようになると思います。

 がん対策への効果が期待される「がん教育」ですが、現在、最大の問題が解決されていません。教える人が足りないのです。忙しい医師が対応するのは難しいのは承知していますが、消防署が立ち会う避難訓練がいざという時に有効なように、「がん教育」も体制を整備していかなければならないと思っています。

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