メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

10月23日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

がん罹患率、地域差明らかに 高橋将人

写真: 拡大

写真: 拡大

写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●国立病院機構北海道がんセンター副院長 高橋将人

 がんは、日本では1981年以降、ずっと死因の1位を継続しており、残念ながらその割合は減少していません。がんの死亡者を減らすには、まず状況を正確に知り、状況に応じた対策が必要です。

 あまりいい話ではありませんが、厚生労働省の大ポカで統計の重要性が知れ渡りました。がん対策を考える上での基本的な統計情報は「がん登録」です。私は「北海道がん診療連携協議会がん登録部会長」も兼任させていただいています。非常に地道な作業ですが、多くの方が大変な労力で精度管理をしてきました。

 以前は各都道府県で「地域がん登録」が行われてきました。しかし、すべての病院が参加しておらず、調査の精度も差があるのが実態でした。

 2016年に始まった「全国がん登録」では、がんと診断されたすべての人のデータを集計しています。居住地域にかかわらず全国どこの医療機関で診断を受けても、また例えば、診断されてから治療で別の県の医療機関に移動したとしても、保健所や市町村の協力ですべて照合し、管理できるようにしています。

 そのデータが今年、公表されました。推定ではないほぼ正確な日本のがん罹患(りかん)率が、初めて発表されたのです。

 今回の報告結果を分析することで、全国と比較した北海道の特徴が明らかになりました。罹患率でみると、胃がんはあまり高くなく、肺がん、乳がん、大腸がんなどが高いことがわかりました。

 胃がんの罹患リスクが高い傾向にあるのは東北地方です。東北と北海道は地域的に近いものの、食生活を含む生活習慣には違いがあると言われます。胃がんは塩分摂取の高い地域に多く、大腸がんは脂肪摂取の高い地域に多いという特徴があります。

 また、北海道の肺がん罹患率が高いことは、喫煙率が男女ともに全国平均よりかなり高いことと強く関連していると考えざるを得ません。がん予防には食生活の管理とたばこ対策が重要で、喫煙率の低減、正しい食生活の推奨などが必要なことは明らかです。

 全国がん登録では、個人情報を含む高度で重要な情報を扱うため、データは極めて慎重に管理しており、故意に流出させた場合は、法律で罰則が規定されています。

 がん登録は医療者だけが使うものではなく、市民、患者にも必要なものです。精度管理をしっかり行い、市民の方が利用できるようにわかりやすくデータを公表する努力を続けていきたいと思います。

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

北海道報道センターから

北海道アサヒ・コムへようこそ。
身のまわりの出来事やニュース、情報などをメールでお寄せ下さい(添付ファイルはご遠慮下さい)
メールはこちらから

朝日新聞 北海道報道センター 公式ツイッター

注目コンテンツ