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未来へのものさし #SDGs【未来へのものさし #SDGs北海道】

統一地方選、模索する現場(2)

写真:西神楽地区は、住宅が農地に接するように建つ「散居型」の集落がある=いずれも旭川市 拡大西神楽地区は、住宅が農地に接するように建つ「散居型」の集落がある=いずれも旭川市

写真:上:アグリコレクティブハウスについて意見を交わすワークショップの参加者 下:GW西神楽は1月、セミナーを地区内で開催し、空き家処分の実例なども紹介した 拡大上:アグリコレクティブハウスについて意見を交わすワークショップの参加者 下:GW西神楽は1月、セミナーを地区内で開催し、空き家処分の実例なども紹介した

写真:すべての人々に安全で安価な基本サービスを確保し、持続可能なまちづくりを進める 拡大すべての人々に安全で安価な基本サービスを確保し、持続可能なまちづくりを進める

 ●朝日新聞×HTB

 ■空き家増え、先細る農村

 人口減で存続自体が危ぶまれる農村集落。維持するため、住む場所を集約する取り組みが始まっている。

 「少し手を入れれば住めるんだが」。旭川市の西神楽地区は、大雪山を一望できる農業地帯。武田勇美さん(67)は、雪に覆われた水田地帯の空き家を指し、悔しそうにそう説明する。

 旭川空港に隣接し、市中心部まで車で20〜30分。地の利は悪くない。しかし、人口減が進み、65歳以上の高齢者は5割近い。現在の約3千人の人口が、2040年には1900人になる、との推計もある。

 西神楽地区は、多くの北海道の農村と同じように、農家がそれぞれの農地のそばに戸建てを構える「散居型」の住宅が多い。20年ほど前から地域づくりに取り組むNPO「グラウンドワーク(GW)西神楽」の理事長をつとめる武田さんは、自治体の財政状況が厳しくなるなか、住宅が点在したまま集落が細ると、いずれ道路や地域交通などインフラの維持が難しくなるとみる。「このままでは地域がなくなる」

 ■多くの世代が集う

 新年度からは、地区内の農地を大規模に再編する事業が動き出す予定だ。後継者のいない農家はこのタイミングで離農し、地域を離れるのでは――。そんな危機感を元に、GW西神楽は一つの構想を打ち出した。「アグリコレクティブハウス」。共有の広い敷地に、子育て世代の農家や離農した高齢者、移住してくる新規就農者らが一緒に暮らす全く新しいタイプの農村型コミュニティー住宅だ。

 農産物の直売所やカフェなどを開設すれば、にぎわいも生まれる。道総研北方建築総合研究所(旭川市)の研究者や建築士らと知恵を絞り、農水省の補助も受けながら考えてきた。

 27日には、地区内でこの構想を地域住民に知ってもらうワークショップが開かれた。トマト農家の里木修治さん(47)は「集落から毎年のように世帯が減っていく。30年後、50年後を考えると、この地域を維持するには集まって暮らすしか手がないのではないか」と感想を述べた。

 具体的な計画はまだまだだが、GW西神楽はワークショップの意見を踏まえ、実現の可能性を探っていくという。武田さんは「西神楽の農村地帯に適した新しいコミュニティーの姿、持続可能な農村の姿を、行政に頼るのではなく、行政とも協力しながら示していきたい」と話す。

 ■下川や夕張で先行

 住む場所を集約化することでコミュニティーを持続させようという取り組みは既に始まっている。

 下川町は、町中心部から約12キロ離れた一の橋地区に町営住宅26戸を建て、希望者に移り住んでもらった。各戸や住民センターは屋根付き通路でつながり、除雪の労力が大幅に軽減された。町へ新たに移住してきた木工作家らもコミュニティーに加わり、地域が活性化されているという。

 夕張市も地域のコンパクト化を進める。約4千戸あった公営住宅は老朽化し、空き家も多かったため、地区ごとに再編・集約化に乗り出した。市中心部では、2011年度から市営住宅を新築し、老朽化した市営住宅からコミュニティーごと移転してもらっている。

 北方建築総合研究所の松村博文地域研究部長は「地域を維持するには、集まって暮らすことが、これから主要な選択肢となるのではないか。人が集まる場所は、地域運営や公共交通、農村であれば農業の六次化の拠点にもなる。農村の一つの可能性として、アグリコレクティブハウスもある」と期待する。

 (本田大次郎)

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