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未来へのものさし #SDGs【未来へのものさし #SDGs北海道】

統一地方選、模索する現場(4)

写真: 拡大

写真:上:十勝バスの一部車両に搭載された「WAON」カードで支払いができる専用端末 下:JR石狩当別駅前で利用者を乗せる当別町の「ふれあいバス」 拡大上:十勝バスの一部車両に搭載された「WAON」カードで支払いができる専用端末 下:JR石狩当別駅前で利用者を乗せる当別町の「ふれあいバス」

写真:すべての人々に安全で安価な基本サービスを確保し、持続可能なまちづくりを進める 拡大すべての人々に安全で安価な基本サービスを確保し、持続可能なまちづくりを進める

 ●朝日新聞×HTB

 ■バス生き残りへ、工夫重ねる

 人口減少で公共交通の維持が難しくなっている。地域の足を守ろうと、バスなどの利用を促す取り組みが各地で重ねられている。

 ■WAON導入など利用促す

 「ワオン」

 十勝バス(帯広市)の路線バス車内に電子音が響く。同社など道東のバス会社3社は先月から順次、流通大手イオン系列の電子マネー「WAON(ワオン)」で運賃が支払えるサービスを一部路線で始めた。

 昨年から固定運賃の路線で実証実験をしていたが、区間ごとに異なる運賃にも対応できるようにした。イオン北海道によると、固定運賃以外のバス路線でWAONが使えるようになったのは全国で初めて。

 電子マネーを使えば、運賃表示を確認して小銭を用意する必要もない。「区間により運賃が変わり、慣れていない人にはわかりにくい。時代にあった形で不便・不安を解消していかないといけない」と十勝バスの長沢敏彦事業本部長。WAONを選んだのも、スーパーやコンビニで幅広く使えて、持っている人が多いからだ。

 ■戸別訪問きっかけ

 同社は一昨年から、外国人旅行客を対象に、拓殖バス(音更町)と共同して管内のバス路線を乗り放題にするパスを発行。今年度は対象を十勝地方以外に住む日本人観光客に広げた。地図上や住所で最適なルートが検索できる路線時刻検索システム「MOKUIK(もくいく)」を導入するなど、利便性向上にも取り組む。

 十勝バスは2011年度の一般路線バス収入が前期比0・5%増になり、年3〜5%のペースで約40年間続いた減収傾向に歯止めをかけた。転機は、原油価格高騰で経営が危機的状況に陥った08年。社員が営業強化の一環として行った戸別訪問だった。

 バス停周辺を社員が回って利用を呼びかけると、「乗るのは前後どちらから?」「料金はいつ払うの」など乗り方や運賃システムが分からない人が多いと気づいた。病院やスーパーをむすぶバスの目的別時刻表を作るなど、利用者目線に立った営業努力を続けた。

 それでも路線バス収入はここ数年は横ばい。何とか維持できているのは自治体の補助があるからだ。「公共交通を残すことは地域を残すことにつながる。今乗らないと残していけない」と長沢事業部長は言う。

 ■「みんなで支えて」

 路線バスなどが走っていない地域では、自治体がコミュニティーバスや乗り合いタクシーの運行に取り組む。道によると、18年4月時点で道内全市町村の半数強の98市町村が自前か業者委託で走らせている。14年の82市町村から2割増えた。「地域の交通手段を守ろうとの意識が強まってきた」と担当職員は話す。

 当別町の「当別ふれあいバス」もコミュニティーバスのひとつ。町などからなる協議会が11年度から本格運行を始め、現在は3路線と「市街地予約型線」がある。1回200円で、北海道医療大や同大病院への通学、通院は無料で利用できる。学生や患者らの送迎バス、新興住宅地の住民向けバスなどを一元化し、だれもが利用できるようにした。

 運行するのは自動車整備が本業の「下段モータース」。会長の下段寿之さん(82)は「バスが街の中を走っていると、まずみんなに知ってもらわなきゃと思って始めた」と振り返る。懸案である運転手の確保に向けて従業員に大型2種免許の取得を促し、現在は従業員42人の3分の2にあたる28人が取得した。

 17年度は過去最多の延べ約14万2千人が使った。ただ、広告を含む運行収入は1千万円余り。6千万円強の運行経費は町などの負担金でまかないきれず、国の補助金に頼る。「補助の上限は年々下がり、負担金もこれ以上は難しい」。そう重い口調で話す町企画課の布施雅浩さんは、小学校の授業にも出向く。「ふれあいバスを使うことで、だれかの移動手段を守ることになる。みんなで公共交通を支えてほしい」。子どもたちにそう説いている。

 (中沢滋人、片山健志)

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