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未来へのものさし #SDGs【未来へのものさし #SDGs北海道】

統一地方選、模索する現場(6)

写真:4月から「公私同居」が始まる私立江陵高校の校舎=幕別町 拡大4月から「公私同居」が始まる私立江陵高校の校舎=幕別町

写真:すべての人に包摂的かつ公正で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する 拡大すべての人に包摂的かつ公正で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

写真:すべての人々に安全で安価な基本サービスを確保し、持続可能なまちづくりを進める 拡大すべての人々に安全で安価な基本サービスを確保し、持続可能なまちづくりを進める

 ●朝日新聞×HTB

 ■幕別「公私同居」の高校再編

 高校の再編や統合を地元自治体が自ら提案する動きが出てきた。少子化で避けられないなら、少しでも望ましい形に、との思いからだ。

 この春、公立と私立というあまり例のない枠組みで再編された道立高校が、十勝地域に誕生する。

 ■少子化に危機感、道立で新設

 幕別町の私立江陵高校は今春の募集を停止したが、4月には同校校舎に新入生を迎える。町内の幕別高校(道立)に代わる新設校「幕別清陵高校」の生徒たちだ。主に1階が道立、2〜3階が私立という「同居」がスタートする。江陵高は新2年生の卒業とともに閉校となる。

 職員室や保健室などは別。チャイムは同じ時間帯に鳴らす。部活動や学校行事は、可能な限り一緒に行う予定だ。

 両校の実質的な統合に向けた動きが表面化したのは2017年4月。飯田晴義町長らが道教育委員会を訪れ、19年4月に「再編・統合」し、1学年4学級の新たな道立高設置を求めた。

 幕別高は1学級40人の定員に対し、2月現在で1年生22人、2年生18人、3年生22人と定員割れの状態。町内の中学校5校の卒業生の多くは帯広市内の高校に進学するからだ。

 ■話し合い重ね「統合」

 危機感を抱いた町は15年に有識者や保護者らによる懇話会を立ち上げ、話し合いを重ねた。報告を受けた町は、2校の安定的な存続は厳しいと判断、江陵高に幕別高との「再編・統合」を持ちかけた。定員を維持していた江陵高は苦渋の決断を迫られたが、今後の少子化を見越して同意した。

 幕別高には「幕別町内道立新設高校準備委員会」が置かれ、開校に向けた準備が進む。昨年2回開かれた学校説明会には計500人以上の生徒や保護者らが訪れた。「統合ではなく、町、江陵高、幕別高の3者の思いを一つにした新設校。期待の大きさを感じた。修学旅行や部活などについて中学生の質問が多かったのが大変うれしい」と吉田光利校長は目を細める。

 江陵高の田代浩司教頭は「課題はあるかもしれないが、協力しながら進めていきたい」と話す。同校の管理職を除く正規教員20人のうち、6人が昨夏の教員採用試験を経て、今春から公立校の教員となる。残りの教員も順次公立の採用試験を受ける予定だ。

 幕別清陵高は町の希望より1学級少ない3学級となったが、普通科で文理探究、福祉、ビジネス、スポーツ&ヘルスの4コース制。習熟度別の少人数授業に力を入れ、進学にも対応する。初めての入試は、推薦枠の36人がすでに内定。一般入試には実募集人員84人に対し90人が出願し、1・1倍とまずまずの滑り出しだ。

 菅野勇次教育長は「高校が残ることは町の活性化にもつながる。町では小中一貫教育を進めており、いずれ高校との連携も考えたい」と話す。

 従来の枠を超えた再編や統合は十勝だけではない。21年度、大空町内にある道立の女満別高校と町立東藻琴高校が統合され、町立に移管する。町で協議し、昨年4月に道教委に統合を要請。道立と町立が統合し町立になるのは初のケースだ。

 ■地元が望ましい形に

 道内の中学校卒業者数は、ピーク時の1988年の9万2222人から右肩下がりで、今春は4万4265人(推計)と半分以下。2025年にはさらに4千人以上減ると予想される。高校数も1999年度の269校から、今年度は231校に減った。年度末には根室西高などさらに4校が姿を消す。

 道立高校の配置について道教委は例年6月に計画案を発表、9月に決めるが、案の段階で統廃合や募集停止が示されると覆すのは厳しい。このため案として俎上に上がる前に、地元が望ましい再編や統合の形を要望するケースが増えている。

 伊達市では、伊達高と伊達緑丘高(いずれも道立)を再編した新設校の設置を求める要望書を2月に道教委に提出。名寄市も昨年3月、定員割れが続く名寄高と名寄産業高(いずれも道立)の統合の検討を道教委に求めた。市教委の河合信二教育部長は「入学したくなる魅力ある学校づくりのためには、やむを得ない」と語る。

 (芳垣文子)

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