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09月22日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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未来へのものさし #SDGs【未来へのものさし #SDGs北海道】

統一地方選、模索する現場(7)

写真:地元住民とともに住宅の周囲の除雪にあたる「雪はねボランティアツアー」の参加者ら=2月10日、倶知安町 拡大地元住民とともに住宅の周囲の除雪にあたる「雪はねボランティアツアー」の参加者ら=2月10日、倶知安町

写真:すべての人々に安全で安価な基本サービスを確保し、持続可能なまちづくりを進める 拡大すべての人々に安全で安価な基本サービスを確保し、持続可能なまちづくりを進める

写真:効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する 拡大効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する

 ●朝日新聞×HTB

 ■除雪、担い手も高齢化

 除雪は冬の北海道において欠かすことのできない作業だ。だが、担い手の高齢化が進む。共助と公助、地域の試行錯誤は続く。

 女満別空港に近い美幌町は、人口約2万人の8割ほどが半径3キロの市街地に住むコンパクトな町だ。高齢化率は34%で、道内平均の30・5%を上回っている。

 雪が降り積もった1月下旬、二人暮らしの酒井成美さん(88)と伶子さん(83)夫妻が朝起きると、道路と玄関をつなぐ自宅敷地内が数メートルにわたって除雪されていた。伶子さんは「私たちも年が年だから自分たちだけでは除雪が難しくなってきている。助かります」と感謝した。

 除雪したのは、自治会単位で結成する「たすけあいチーム」。市街地の40自治会のうち31自治会がそれぞれチームを組み、高齢者世帯を中心にボランティアで除雪をしている。27年間続く取り組みだ。

 たすけあいチーム全体の会長を務める龍瀧誠一さん(79)は「一人の不幸も見逃さないようにしようというのが始まりでした」と振り返る。町の社会福祉協議会が呼びかけ、参加する自治会が徐々に増えた。

 町も支援に乗り出した。1台約50万円の小型除雪機を買い2009年度から貸し出している。除雪機を年々増やし、現在は21台に。燃料費も補助している。

 昨年度は町内の高齢者世帯約3200世帯のうち約270世帯をチームが除雪した。町民生部の喜来正吉主査は「役場だけでは解決できない問題を、たすけあいチームと役割分担して取り組めている」と話す。

 ■助け合い、主力は60代後半

 ただ、課題もある。現在のチームの主力は60代で、メンバー自身が高齢化しているのだ。事故を恐れて、町からの除雪機の貸し出しを辞退するチームも出てきた。龍瀧さんの自治会も除雪メンバーは60代後半が中心だ。龍瀧さんは「我々の体力にも限界がある。若い人たちに除雪ボランティアに関心をもってほしい。10年先とは言わず5年後にでも。これは望みです」。

 ■雪はねツアー好評

 住民の雪対策に行政はどんな支援をしているのか。道立総合研究機構の北方建築総合研究所(旭川市)が1〜2月、道内の市町村にアンケートした結果、最も多かったのが高齢者や障害者の世帯が対象の「福祉除雪等」で、回答した148市町村の7割が何らかの支援をしていた。その作業の担い手も聞くと、除雪委託業者とともに多数を占めたのは社会福祉協議会などの非営利団体だった。「エビデンス(証拠)はないが、担い手が高齢化してきていると感じる。もっといろんな人が関われるよう、すそ野が広がることが必要だと思う」と担当者は話す。

 そんな中、都市住民の力を除雪に生かす活動が根付きつつある。その一つが、道内企業のCSR担当者らからなる研究会が2013年に始めた「雪はねボランティアツアー」だ。

 主に札幌発着の日帰りバスツアーとして、7年間で倶知安町や上富良野町などに計49回実施し、参加者は延べ1356人。事務局の北海道開発技術センター(札幌市)によると、どの家を除雪するか、受け入れ先の地元町内会に調整してもらうなど地域のニーズを把握する。除雪した家庭から「窓から日光が入るようになった」と喜ばれるだけでなく、ツアー参加者との交流が楽しみだとの声も高まってきたという。

 ■住民の自助支援も

 一方、生活道路などの除雪では住民と行政が手を組む動きが広がる。昨冬、累積降雪量が観測史上1位の大雪に見舞われた函館市。当初予算に盛り込んだ除雪費4億円はすぐ底を突き、最終的に9億8千万円に。業者の人手不足も深刻で作業が追いつかなくなり、市は業者のみに頼らない「市民自身による除雪」を重視。10台しかなかった貸し出し用小型除雪機を180台に増やし、迅速かつ細かな除雪を促した。

 この冬、市から初めて小型除雪機を借りた五稜郭町会副会長の松下邦夫さんは「細かな所まで行き届いた除雪ができた」と喜ぶ。町会は歩道やバス停、市営住宅の敷地、最寄りの警察署周辺まで延べ20回以上使った。「環境が整えば自助でできることは結構ある」と松下さんは話す。

 (伊沢健司、阿部浩明、片山健志)=終わり

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