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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

見直される離乳食・アレルギー 高橋豊

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●KKR札幌医療センター・小児科特任部長 高橋豊

 厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」が約10年ぶりに改訂される。おかゆから始めて野菜、豆腐、白身魚と進めてゆく離乳食のスケジュールは日本独特のものだ。手作りが基本なので、保護者の3分の1は離乳食を作ることを負担に感じており、推奨されるスケジュール通り進まずに悩む保護者も多いようだ。

 離乳食は、世界保健機関(WHO)では母乳で不足する栄養素を補うという位置付けで「補完食」という言葉を使っており、「離乳」を目的にはしていない。このように世界では多様に進めていること、またお子さんによって千差万別であることを認識すると、保護者がもっと楽になるのではないかと考えている。

 米国小児科学会は2008年、新生児の食物アレルギー発症予防のため、アレルゲンとなりやすい食物を「妊娠中・授乳中に制限する」「離乳食としての摂取時期をなるべく遅らせる」といったことを勧めていたそれまでの勧告を、「根拠のないもの」として撤回した。その2年後の調査では、生後4カ月からの離乳食開始が増え、生後6カ月になる前から鶏卵を食べ始める比率も増加していた。

 こういった情報が我が国にもたらされたのは比較的最近のことで、食物アレルギー発症を恐れ、アレルゲンとなる食物をなるべく遅く与える保護者は今も少なくない。離乳食開始時期のピークは、この10年で生後5カ月から6カ月へと遅くなっており、食物アレルギーが注目されたことと関係している可能性がある。

 ちなみに、WHOでは生後6カ月からの「補完食」開始を推奨しているが、これはもっぱら発展途上国での栄養面と衛生面からの判断である。

 鶏卵に関しては16年、日本のグループが報告を出した。食物アレルギー発症のリスクが高い乳児を2群に分け、一方には生後6カ月から毎日卵パウダー(ゆで卵0・2グラム相当)を与え、もう一方には与えなかった。すると、1歳になったときの卵アレルギーの割合は、卵を与えた方が80%近く減少したという。

 今回のガイドラインでは、離乳食を生後4カ月より前に始めると小児期の肥満が多くなるといった報告から、開始時期はこれまでと同様の生後5〜6カ月とした。ここまでで述べたような情報が盛り込まれ、発症しても安全量を摂取していくことで良くなっていくことが周知されれば、食物アレルギーの発症は減り、年長まで持ち越す子どもも少なくなると期待している。

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