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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

若者のがん、少ない専門家 高橋将人

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●国立病院機構北海道がんセンター副院長 高橋将人

 東京オリンピックでの活躍が期待されていた女子競泳の池江璃花子選手が、白血病と診断されたという報道がありました。日本国中が驚き、誰もが「なぜ彼女が……」と思ったことと思います。

 がんは一般的に、加齢に関係する病気といわれます。日本人の発症頻度が高い胃がんや肺がんも、発症することが多いのは高齢者です。一方、数はそれほど多くはありませんが、「小児がん」といわれるものもあり、小児科や小児外科などで対応します。

 池江選手の18歳という年齢は、通常はがんとは無縁の年代のはずです。15歳から30歳代までの思春期・若年成人期は、あらゆる病気にかかりにくい年代で、「Adolescent and Young Adult(AYA)世代」と呼びます。

 しかし、この「AYA世代」にもがんが発症することがあります。さらに、小児科の時期でもなく、通常の成人期でもないことから、専門家の数が少ないという問題点が指摘されています。いわゆる「希少がん」となり、どこで治療すべきか、情報を得にくいのです。

 AYA世代は、就学、就職、恋愛、結婚、子育てなど人生の大きな変化を経験する時期でもあります。多感な思春期・若年成人期の心理的ストレス、生活や将来に対する不安なども少なくありません。しかし、がんを発症すればどうしても治療に重点が置かれるため、そういった問題への配慮が後回しになる可能性があります。同じような病気にかかる人が少なく、患者同士が話し合い、情報交換することも難しい状況です。

 池江選手がかかった白血病は、AYA世代のがんの中でも頻度が高いと言われています。白血病は、腫瘍(しゅよう)細胞が血液中に異常に増える病気で、血液細胞が担う「免疫」「酸素の運搬」「止血」などの働きに障害が出ます。白血病細胞の違いにより「リンパ性」と「骨髄性」に分類され、その進行の仕方により「急性」と「慢性」に分けられます。

 かつては不治の病といわれた白血病ですが、今は化学療法、放射線治療に加えて新たな分子標的薬もたくさん出てきており、根治される方も増えてきました。

 池江選手がどのタイプの白血病で、どんな治療が行われているかはわかりません。いずれにせよ、しっかりと治療され、元気な姿でわれわれの前に戻ってきて、AYA世代のがんの方々にも希望を与えてほしいと思っています。

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