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水曜「働く・暮らす」【トップに聞く】

網走川流域の会会長 新谷哲也さん

写真:新谷哲也氏 拡大新谷哲也氏

写真:農地崩落現場に設けられた沈砂池を見学する網走川流域の会会員ら=2017年4月28日、大空町 拡大農地崩落現場に設けられた沈砂池を見学する網走川流域の会会員ら=2017年4月28日、大空町

 ■漁・農が連携、網走川の環境守る 

 ●網走川流域の会会長・網走漁協組合長 新谷哲也さん

 ――「網走川流域の会」が発足して今年で5年。上流から下流まで流域全体の環境を守る、という考え方が浸透してきましたね。

 「昨年、網走漁協の秋サケ漁獲量は6年ぶりに日本一になり、川をさかのぼる親魚も多かった。網走川流域全体の環境保全への取り組みが反映されたと思います。他漁協にもそうした認識が広がってきました」

 ――発足時は9団体でしたが、今や多数の団体、個人が参加しています。

 「最下流の網走、西網走両漁協と最上流の津別町農協の信頼関係を基礎に動きだし、流域1市3町と農・漁協など9団体と56個人でスタートしましたが、団体は今年度末で26に増えました。企業が社会的責任を果たすCSR活動の一環として加入してきています」

 ――流域全体で環境保全に取り組むきっかけは何だったのでしょう。

 「2001年9月の台風で濁流が網走川を流れ下り、網走湖はあふれ、オホーツク海にも流出して、シジミやホタテに大きな被害が出ました。翌年、網走市と網走、西網走の両漁協で協議会をつくり、上流からの濁流対策に取りかかりました」

 ――上流に目を向けると、どんなことが分かりましたか。

 「濁流がどこから来たのか調べようと川をさかのぼっていくと、農地や山林があちこちで大規模に崩落していました。農業者と連携しなければ問題は解決できないな、と。同じ時期に津別で循環型農業に関心を持つ農業者が増えていたことが好都合でした」

 ――最初はなかなか理解されなかったそうですね。

 「漁業を守るために、川上へ攻めていったわけですから。3年ほどかけて津別と信頼関係を築き、次第に他の農協や自治体へも切り込んでいけました。流域全体の環境保全の問題だと、『構え』が大きかったのがよかったと思います」

 ――会の活動が網走川の治水計画にも影響を与えているのですね。

 「崩落した場所は過去に沢を埋めて造成した農地が多い。2017年には、関係団体が結集して農地崩落対策プロジェクトチームを発足させ、崩落場所や危険箇所の調査を進めています。いまはオブザーバー参加の北海道開発局も、河川整備計画に基づいた正式な『検討の場』をつくろうとしています」

 ――「網走川流域の会」の今後はどうなりますか。

 「会の活動は軌道に乗ったと思います。この会をプラットホームに関係団体同士が独自に連携して新しい活動を展開し始めています。問題は運動をどう継承するか。危機感を持った若い世代を育てていかなければなりません」

 (聞き手・宮永敏明)

     *

 しんや・てつや 1951年、網走市生まれ。東海大学海洋学部(静岡市清水区)卒業後、家業の漁業に就き、株式会社真晃丸漁業社長。2015年に網走川流域の会発足と同時に会長就任。2018年から網走漁協組合長。

 ■子どもたちを対象に学習会も

 「網走川流域の豊かな海と大地の恵みを次世代に引き継ぎ、持続可能な流域社会の構築を目指す」ことを目的に毎年、総会とシンポジウムを開いているほか、流域の1市3町で一斉河川清掃を実施したり、子どもたちを対象にした「流域学習」を開催したりしている。「実動部隊」として農地崩落対策プロジェクトチームなどがある。

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