メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

09月20日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

水曜「働く・暮らす」【逸品 ひとモノ語り】

「ミナ アン イコル」のストール

写真:アイヌ文様の切り絵を作った小川さん(左)とレイアウトした峰江さん=札幌市中央区 拡大アイヌ文様の切り絵を作った小川さん(左)とレイアウトした峰江さん=札幌市中央区

 ■アイヌ文様と和、融合のデザイン

 札幌市中央区のホテル「ロイトン札幌」1階のショッピングプラザ内に、色とりどりのストールが並ぶ。大きく広げると、大小のアイヌ文様がちりばめられている。

 アイヌ民族の血を引き、アイヌ語で「土の魂」を意味する「ToyToy(トイトイ)」の名で活動するデザイナー小川基(もとい)さん(47)=札幌市=が、和柄の千代紙で作った切り絵が元になっている。札幌市のデザイン会社「クラウドナイン」の峰江卓也代表取締役(57)が配置や配色を考えた。

 ブランド名はアイヌ語で「笑顔は宝物」を意味する「mina an ikor(ミナアンイコル)」。「みんなの笑顔が先人たちの供養になる」が小川さんの信条だ。黒、ピンク、金色などを基調とした薄手のポリエステル製のストールのデザインは20種類ほど。しっかりとした手触りで、巻き方を工夫すれば和装にも合うという。「今のライフスタイルになじむようにポップな仕上がりにした。アイヌ文化に興味をもってもらうきっかけになれば」と峰江さんは話す。

 アイヌ文様は、モレウ(渦)、アイウシ(とげ)、シク(目)などで構成される。目やとげで病気などから人を守る意味が込められているという。ただ、小川さんは「アイヌと和の融合」を目指し、元々アイヌ文様にはない五角形や六角形の文様を作り出した。雪をモチーフにしたかわいらしいデザインは、日本の家紋をモデルに考案した。

 小川さんが幼いころ、札幌市の自宅にはアイヌ民族のお年寄りが出入りしていた。あるおばあさんがひざにのせてくれた時のこと。クレヨンを持つ手を導かれ、新聞のチラシに線を描き、はさみを入れるとシンメトリーの文様ができた。今の切り絵の原型だ。

 学校ではアイヌ民族であることを理由にいじめられ、「北海道を脱出したい」と沖縄大へ進学。沖縄にいると落ち着き、「アイヌです」と胸を張って言えた。だが懇意にしていたミュージシャンに「アイヌの歌を教えて」と頼まれると覚えておらず、歌えなかった。自らのルーツの文化を学ぼうと大学を中退、実家に戻り歌や踊りを習った。そんな小川さんはいま、アイヌ民族の伝統弦楽器トンコリの奏者としても活動する。

 自分の属性をポジティブにとらえるには、商品化するしかない。そう決意し2010年、アイヌ文様のTシャツや木製キーホルダーなどを作って販売を開始。仲間5人でのブランド立ち上げにつながった。「アイヌ文化をアイヌでない人にもシェアし、北海道の財産として未来へつなげていきたい」。小川さんと峰江さんは口をそろえた。

 (天野彩)

     ◇

 大判が1800ミリ×700ミリ、中判は1600ミリ×570ミリ。税込み1万800円から。

 商品は札幌市中央区の大通ビッセ2階「YUIQ」、新千歳空港国際線ターミナルビル3階「山ト小笠原商店」、「AINU ToyToy屋」のウェブサイト(https://toytoy−ya.com/SHOP/213669/list.html)などでも販売。問い合わせはAINU ToyToy屋コーディネーターの大内志保さん(090・8004・9727)へ。

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

北海道報道センターから

北海道アサヒ・コムへようこそ。
身のまわりの出来事やニュース、情報などをメールでお寄せ下さい(添付ファイルはご遠慮下さい)
メールはこちらから

朝日新聞 北海道報道センター 公式ツイッター

注目コンテンツ