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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

男性看護師、働きやすい社会に 大日向輝美

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●札幌医大保健医療学部長 大日向輝美

 厚生労働省の「平成28年衛生行政報告例」によれば、2016年の就業看護師のうち男性は全体の7・3%。14年は6・8%だったから、男性看護師は増えている。40年近く前、看護学生だった私のクラスは女子ばかり。看護師時代も男性看護師と働く機会はなかったから、当時とは隔世の感がある。

 だが男性看護師はまだまだ少数派。看護の世界では、女性登用を推進する社会の動きとは逆パターン。管理職も圧倒的に女性が多い社会だ。

 看護師はかつて「看護婦」と呼ばれていた。そもそも「婦」という呼称自体が女性を前提とするものだ。男性看護師は「保健婦助産婦看護婦法」の下で「看護士」という別の名称が与えられていた。

 「看護師」に統一されたのは2002年。1989年までは教育内容にも男女の区別があった。男子には産婦人科実習がなく、精神科実習に読み替えられていた。そのためか看護士は精神科に偏在し、一般病棟にはほとんど配属されていなかった。私が大学病院で働いていた時も、精神科には数人の看護士がいた。

 特定の性を示さない「看護師」への名称改正や看護師養成の大学化、保健医療職としての役割拡大など、看護職をめぐる環境変化が男性の進出を後押ししているようだ。一般病棟で働く男性看護師も増えている。現在では男性の6割以上が精神科以外で働いているとの報告もある。

 だが、女性職としての看護師イメージは根強い。男性看護師の働く場は広がっているが、一般病棟での看護活動には男性なりの難しさもある。

 その一つが患者側の抵抗感。調査報告によれば、男性看護師の多くは女性患者からケアを拒否された経験がある。臨床実習で男子学生が男性患者に嫌がられたことも。女性看護師との関係形成の難しさ、少数派ゆえの立場の弱さも、困難を感じる要因にあがる。男性の役割モデルが少ないために将来像を描けない働きづらさもあるようだ。

 一方で、男性看護師と接したことのある患者は、看護師としての専門性と適格性を評価し、必要性を認めている。以前はよく耳にした女性看護師からの戸惑いの声も、最近はあまり聞かれなくなった。

 男性看護師の働きづらさは、少数者であるために生じている。看護の対象は老若男女を問わず、価値観や生活様式も人それぞれである。人々の多様なニーズに応えるためには、看護の社会にも多様性がなければならないと思う。

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