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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

注射、看護師の腕に注目して 大日向輝美

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●札幌医大保健医療学部長 大日向輝美

 読者の皆さんも、年1回くらいは注射や採血を受ける機会があるだろう。針が刺される瞬間、思わず目を背ける人もいれば、興味津々に目を凝らす人もいると思う。

 私は職業柄か、注射や採血を行う看護師の一挙一動が気になる。インフルエンザの季節にテレビで流れるワクチン注射の場面でも、実施者の手技に目が向いてしまう。

 注射と採血はいずれも針を刺す行為。だが、注射は薬液を体内に注入するもので、採血は血液を採取するものだから、性質は大きく異なっている。生命や身体に及ぼす危険が大きいのは注射である。

 注射に関連する医療事故は多い。大方が薬剤の取り違えや投与量の誤りなど、準備時の確認不足に起因する。実施時に重要なのは、針を刺す部位や角度、到達深度の正確さと、一連の行為が的確に行われること。実施者の手技の技術レベルは、注射の安全と痛みの軽減に大きな影響を及ぼし、血管や神経を損傷するリスクにも関係する。

 看護師が行う注射は「皮内注射」「皮下注射」「筋肉注射」「静脈注射」の4種類。人間の身体は表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」があり、その奥に筋肉と骨が位置する構造だ。注射の種類は薬液を注入する部位によって分けられている。

 多くの人が経験するのが皮下注射。インフルエンザの予防接種もこれである。以下、皮下注射の手技について。

 一般的な注射部位は、腕を曲げて肩とひじを結んだ線の下から3分の1の点。針が筋肉に達するのを防ぐため、注射部位をつまんで持ち上げ、皮下組織が動かないようにする。針を刺す角度は10〜30度で、注射器を上から指でつまむように保持して注射する。「筋肉注射」とは、注射部位も針を刺す角度や深さも異なるのだが、まれに区別の怪しい看護師がいるのも実情だ。

 針を刺した後はしびれや電撃痛の有無で神経への刺激を確認し、異常がなければつまみを外して注射器を固定する。血管に刺していないかを血液の逆流で確かめ、なければ静かに薬液を注入する。

 皮下注射は緩やかな吸収をねらうものだから、注射後のマッサージはしなくてよい。針を刺す時の痛みの軽減には、皮膚消毒薬が乾燥してから針の刃断面を上に向け、ためらわずに一気に刺すのがポイント。患者に余計な緊張を与えない言葉掛けも重要だ。

 手技の良しあしをチェックして、注射の安全を確認してみてはいかがだろうか。

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