メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

08月24日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

手術室看護師、表に出ぬ役割 大日向輝美

写真: 拡大

写真: 拡大

写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●札幌医大保健医療学部長 大日向輝美

 健康回復のために行われる手術は、一方で生体の恒常性を乱す刺激となって、様々なダメージを患者に与える。手術による刺激は「手術侵襲」と呼ばれ、その度合いが術後の回復にも影響を及ぼす。加えて手術室には、手術前・中・後の全ての場面に生命を脅かす危険が潜む。手術にまつわる危険を回避し手術侵襲を最小にとどめ、患者の安全・安心を守るのが手術室看護師だ。役割は大きく二つある。

 医療ドラマの手術シーン。「メス!」と手を伸ばす執刀医にメスを差し出すのが「器械出し看護師」だ。手術進行に合わせて迅速かつ的確に器械類を準備し、医師が手術野に集中できるようにする。手術前には入念な打ち合わせを行い、スムーズな流れを組み立てる。体内にガーゼや器具を残さないよう、数をカウントして管理する役目もある。

 器械出し看護師は、手術法や人体解剖を深く理解し、様々な手術に用いられる器械類の知識を全て頭に入れておくことが求められる。医師の動きや手術経過から次を予測する力も必要だ。「器械出しで手術が変わる」と言われるほど、重要な役割である。

 もう一つが、ドラマには滅多に登場しない「外回り看護師」。手術全体の流れをマネジメントする役割だ。器械出し看護師は直接手術に関わるが、外回り看護師は間接的にサポートするのが務めだ。

 具体的には、手術前後の病棟看護師との引き継ぎ、入室から退室までの患者対応、手術に必要な処置の実施、麻酔の介助、出血量の確認、手術室環境の整備、手術記録の記載……など、業務は多岐にわたる。外科医は手術に、麻酔科医は麻酔に集中できるように手術室全体に目配りする。手術に関わる多職種間の連携・調整を図るのも外回り看護師の仕事。全体を見渡せる知識と経験、職種間をつなぐコミュニケーション力が求められる、要となる存在だ。

 外回り看護師には手術室外での役割もある。まず手術前に病棟に出かけ、患者を「術前訪問」すること。患者が心身ともに安定した状態で手術に臨めるよう、面談を通して不安や緊張の軽減に努める。手術翌日には「術後訪問」を行い、患者の状態を確認して手術室での看護を評価する。

 手術の安全を支え健康回復を手助けする手術室看護師。広い視野と的確な判断力が必要な難しい役割だが、それだけにやりがいもある仕事だ。医療ドラマで手術シーンを見かけたら、看護師たちの貢献もぜひ思い起こしてほしい。

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

北海道報道センターから

北海道アサヒ・コムへようこそ。
身のまわりの出来事やニュース、情報などをメールでお寄せ下さい(添付ファイルはご遠慮下さい)
メールはこちらから

朝日新聞 北海道報道センター 公式ツイッター

注目コンテンツ