メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

12月08日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

アンカン ル ピリカ【アイヌの美】

鮭くわえ熊

写真: 拡大

写真:「鮭くわえ熊」(2017年)体長32・5センチ、高さ24センチ=アイヌ民族文化財団所蔵 拡大「鮭くわえ熊」(2017年)体長32・5センチ、高さ24センチ=アイヌ民族文化財団所蔵

■素材のコントラスト巧みに生かす

 1950年代半ばから60年代半ば(昭和30〜40年代)にかけて北海道観光ブームが続き、木彫り熊をはじめとする数多くの木彫品が作られた。担い手はアイヌ民族に限定されないが、現在活躍中のアイヌ工芸家の多くがこのブームのなかで腕を磨いた。荒木繁さん(79)もその一人である。

 素材のエンジュ(槐)は、芯材が濃い茶色、辺材が黄白色となるのが特徴。このふたつの色味のコントラストを生かし、彫刻のどこに辺材の黄白色の部分を残すかが作り手の腕の見せどころ。この熊では、鼻の頭と鮭(さけ)の胸びれのところに黄白色の部分が残るように考えられている。

 滑らかに波打つ毛並みは、荒木さんが父と兄から受け継いだ技法である「丸彫り(小型の丸刀による毛彫り)」によって表現されている。

 荒木さんに、木彫り熊を鑑賞する際のポイントをたずねると、まずは顔の表情だと教えていただいた。制作時に心がけていることは、丁寧に、細部も手を抜かず、ひと手間かけることだという。

 荒木さんのこだわりは、鮭をくわえた口元のぷっくりとした肉感である。「この熊、どこか優しい表情ですね」と感想を述べると、「鮭くわえてて、おっかない顔した熊いないから。食べもの食べたら、人間もおんなじで」と優しくほほ笑んだ。

 (北海道大学准教授 山崎幸治)

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

北海道報道センターから

北海道アサヒ・コムへようこそ。
身のまわりの出来事やニュース、情報などをメールでお寄せ下さい(添付ファイルはご遠慮下さい)
メールはこちらから

朝日新聞 北海道報道センター 公式ツイッター

注目コンテンツ

  • 写真

    【&M】明かりが揺らめくランタン

    20名様にプレゼント

  • 写真

    【&Travel】にっぽん丸30年、富士絶景

    クルーズへの招待状

  • 写真

    【&Travel】ラップランドの冬の風景

    フィンランドを旅して

  • 写真

    【&M】AWA2021で対談

    Twitter笹本氏×日産星野氏

  • 写真

    【&w】柚子香るスフレチーズケーキ

    料理家・冷水希三子の何食べたい?

  • 写真

    好書好日140字レシピができたわけ

    寿木けい「土を編む日々」

  • 写真

    論座真鍋さんは日本を支えてきた

    今日の編集長おすすめ記事

  • 写真

    アエラスタイルマガジン気温10度に適した服装とは?

    おすすめコーディネート紹介

  • 写真

    Aging Gracefully仕事や家族、将来のこと

    何気ない日常生活の物語<PR>

  • 写真

    GLOBE+テキサス州中絶禁止法で暗雲

    おびえる保守派の政治家たち

  • 写真

    sippo仲良しな猫と子どもに憧れて

    猫をごっご遊びに巻き込んだ

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ