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金曜「ライフ・楽しむ」【わたし色】

冬の夜長に「再読書」のススメ 美馬のゆり

写真: 拡大

●公立はこだて未来大教授・美馬のゆりさん

 最近、恩師や知人から、著書をいただくことが立て続けにありました。これらはいずれも15年から30年以上前に出た本の復刻版です。

 昔と全く同じ形というわけではなく、旅のお供にも手軽な新書判になっています。内容も、再出版にあたって、著者がその意図や最近考えていることを書き添えていたり、原作者の生い立ちについて跡を継ぐ関係者が丹念に調べたりしています。

  □  ■  □

 本の話といえば、以前、絵本の展覧会で、好きな絵本を紹介する企画がありました。

 高校生の時に感動し、ずっと手元に残しておいた絵本をそこで紹介しようと取り出して読み直したところ、ぜんぜんおもしろくない。それどころか、その主人公に憤りさえ覚えたのです。あれほど好きだったのに、なぜそう感じるようになったのかすぐにはわかりませんでした。

 なぞが解けたのは、その展覧会の中で、別の絵本を読んだときです。これだ!と思わず心の中で叫びました。今の私の思いにピタッときたからです。先ほど憤りを覚えたことも、その2冊の内容を比べることで合点がいきました。

 昔感動したのは、夫や子どもを持つネズミの話。捕らわれた山鳩(ヤマバト)から聞いた外の世界にあこがれ、山鳩を逃がした後も生涯、その世界を夢見る1950年代の作品です。

 展覧会で読んだのは、80年代に私と同世代が書いたものでした。お城を飛び出した妖精が、意地悪でずるいと言われていた魔女の世界に母の反対を押し切って飛び込み、母にその世界を見せる話です。

 40年の時を経て、その間の人生の経験が私の本の読み方を変えたようです。主人公に共感するだけでなく、著者が伝えたかったことを考えるようになっていました。

 今回届いた復刻版は3冊。いま改めて読み進めていますが、新書にもかかわらず、時間がかかります。それは、いずれも数学や物理学の本だから。文芸書と違ってさっと読むことができず、一行一行納得し、論を積み重ねていくような読み方が必要です。

  □  ■  □

 気づいたのは、数学や物理学の本の読み方も変わってきたこと。字面を追い、数式を理解するというだけでなく、その背後にある考え方や、著者が示そうとしていた世界、社会との関係が見えてきたような気がしています。

 昔読んだ本や絵本を改めて読み直す「再読書」はいかがでしょうか。新たな読み方、成長した自分を発見できるかもしれません。

 いよいよ雪も本格的に降り始め、北海道は、秋の夜長ならぬ、冬の夜長。読書には絶好の季節です。

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