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金曜「ライフ・楽しむ」【わたし色】

「すばらしい新世界」その先… 美馬のゆり

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■「すばらしい新世界」その先に何が

●公立はこだて未来大教授・美馬のゆりさん

 今年は子(ね)年。自分が年女で還暦であることに気づきました。はてさてこれからどんな人生を、と考えていたところ、思い出しました。

 50歳になったとき、これからやりたいことリストを作っていたのです。10年前のファイルを探し出し、内容を確認しました。

 当時、とにかく思いつくことを書き出し、出尽くしたところで、内容を分類し、まとめていました。その項目は、仕事、生活、旅行、趣味、友人でした。

 それぞれの内容はともかく、先頭に「仕事」がきているなんて、なんと私らしいことか。10年前の自分がいとおしくさえ思えます。

 「仕事」では7割程度、それ以外の項目では、1割程度達成。一番身につけたかった生け花は、未達成。再度、リストに載せる予定です。

  □  ■  □

 今回平均余命を調べたら、あと29年ありました。その時世界は、日本は、どうなっているでしょうか。

 1948年に書かれ、映画化もされたオーウェルの小説「1984年」は、近未来世界を描いています。そこは、思想、言葉、結婚など、生活すべてが監視、管理されている、ユートピアならぬ、ディストピアです。

 同年代の近未来小説に、ハクスリーの「すばらしい新世界」があります。こちらは、食べることや遊び、生活、すべて何不自由なく満たされている世界。何も疑問を感じることがないのが問題です。

 オーウェルは、書物が焼き捨てられる焚書(ふんしょ)が誰かによって行われる状況を危惧しました。一方、ハクスリーは、焚書を行う理由がない、誰も本を読まなくなる状況を危惧しました。どちらの世界も今、現実に起こりつつあります。

 苦しみによって制御されることは恐れても、楽しみによって社会が破滅することには気づきにくい。科学技術の進歩を享受し、好きなこと、楽しいことだけを受け入れていく先に何があるでしょう。

  □  ■  □

 先のリストの「友人」の項目にあったのは、みんなを集めてパーティーをし、知らない人同士を紹介すること。私が友人と思う人の共通項(性格、仕事、人生観?)をみつける、となっていました。

 私が友人と思える人は同様の基準を持っていて、それならパーティーに集まった人同士も友人になれる――。そんな仮説が元にあります。

 その友人たちは今の日本の状況がハクスリーの世界になりつつあることに気づいていて、何とかしたいと思っているかもしれません。

 2020年が始まりました。この仮説はこれからの10年で検証できるでしょうか。

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