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竹田城の履歴書

(50)広秀への思い 今も昔も

写真:竹田城跡の本丸虎口石垣に付加された石の階段これも竹田城の履歴を今に伝える構築物だ 拡大竹田城跡の本丸虎口石垣に付加された石の階段これも竹田城の履歴を今に伝える構築物だ

写真:350年祭の様子。町中では終日だんじりが運行され、要所に止まっては演技を披露し、大変なにぎわいだったようだ 拡大350年祭の様子。町中では終日だんじりが運行され、要所に止まっては演技を披露し、大変なにぎわいだったようだ

 竹田城最後の城主、赤松広秀(1562〜1600)は学問をこよなく愛し、儒学者藤原惺窩(せい・か)との親交はよく知られている。また朝鮮の儒学者である姜〓(かん・はん)が残した「看羊録(かん・よう・ろく)」には赤松広秀の人格について「日本の将官は、すべてこれ盗賊であるが、ただ(赤松)広通(※広秀のこと)だけは人間らしい心をもっています(略)」と記されており、後の民衆に深い影響を与えた。今回は、竹田城主赤松広秀を後の世まであつくあがめ、深く祀(まつ)った民衆のエピソードを紹介して、このシリーズを閉じたい。

 そのエピソードとは、赤松広秀を神格化した祭礼「虎臥大明神祭」である。現在のところ、古文書資料で確認されている最も古い祭礼は広秀没後150年祭のものだ。「赤松廣秀公由緒記」には、以下のように記されている。

 「竹田崇城主赤松廣秀公百五十年遠忌 寛延二己巳年御霊宮ヲ崇城虚ニ始メテ小社ヲ建立 夫ヨリ毎年三月甘八日祭祀努来候処……」

 要約すると、寛延2(1749)年の150年祭に、初めて竹田城に小社を建立し、以来、毎年3月28日に祭礼を行ってきたというもの。200年祭についても寛政11(1799)年3月28、29日に行われていたようだ。この記述によれば、観音寺城坂(観音寺から観音寺山城に至るルートか)と殿町城坂(表米神社境内の南側から竹田城跡南千畳に至る道)の登り口に新たに鳥居が建てられ「虎臥大明神」の額が掲げられていたと伝える。

 さらに、東京の三康図書館に所蔵される、文化元(1804)年に写された「但馬國朝来郡竹田城墟図」には、以下のように記されている。

 「寛政10(1798)年戊牛、赤松氏が城を追われて二百年ほどが経過する。そこで江戸表より役人がお見えになることになったので、城跡の掃除をするように仰せつかった。その後、江戸よりおいでになった役人は、この古城を見分し、『虎臥大明神』と記した額を掲げられた(略)」。現在殿町区で保管されている「虎臥大明神」の扁額(へん・がく)はこのときもたらされたものだろうか。またこの「但馬國朝来郡竹田城墟図」には、天守台北側の本丸曲輪上に小さなほこらが描かれている。寛延2年の150年祭に建立されたと伝えるほこらとも考えられる。

 その後も祭礼は途切れることなく続けられた。戦時中は規模が縮小されたが、昭和24(1949)年4月には、350年祭を挙行。竹田町長、竹田区長、竹田中学校長のほか全町民こぞっての大祭礼だった。このときは臨時列車も増発され、大勢の人出となり、竹田城での式典にも参列する人があふれた。このころ、各地の寺院では、戦争のため供出した梵鐘(ぼん・しょう)の復活が盛んに行われ、法樹寺においても新調した梵鐘の鐘ひき、稚児行列が関連事業として行われた。

 このように、赤松広秀公に対する地元住民のあつい思いは今も昔も変わらない。「虎臥大明神祭」は現在も殿町区において毎年挙行され、今後も継承されていくことだろう。

(朝来市埋蔵文化財センター館長 田畑基)

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