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教育【まなビバ!】

香住高校(県立・香美町)

写真:飼育しているトラフグの生育状況を確認する生徒たち=香美町香住区の香住高校 拡大飼育しているトラフグの生育状況を確認する生徒たち=香美町香住区の香住高校

写真: 拡大

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●魚育て味わう達成感

 漁業水産実習棟の1階に生徒たちが「栽培池」と呼ぶ場所がある。海洋科学科アクアコースの生徒たちが使う栽培漁業実習室。教室四つ分ほどの大きさの部屋に、大小約40個の水槽が並んでいる。

 3年の足立龍星君(18)はトラフグを飼育する班(3年生2人、2年生3人)のメンバー。午前8時前には登校し、授業の前に実習室に立ち寄るのが日課だ。水槽をのぞき込み、トラフグの体に傷がないかを点検する。「毎日観察していると、上から見ただけでフグの健康状態が分かる」と話す。

 2年前に体長2、3センチで飼い始めたトラフグは現在、38センチまで成長。鋭い歯で他のフグを傷つけないようにペンチで歯を折る。食べ残しの餌やフンをサイホン式のパイプで取り除くことも重要な作業だ。将来、イルカなどのトレーナーを目指す神戸市出身の3年、原野唯華さん(18)は「最初は魚に興味がなかったけど、飼育しているうち愛情がわいてきた」。

 水生生物の生態や保全、増殖について学ぶアクアコースでは、魚の飼育が必修になっている。飼育する海水魚は高級魚のクエやフグのほか、ドチザメやヒラメ、イシダイ、メバルなど約20種類。淡水魚では和金魚やコイ、アユなど約10種類を飼っている。

 4月から東京農大のアクアバイオ学科に進学する3年の杞山(き・やま)元康君(18)は「アユ班」。昨年10月、他のメンバーと高校近くの矢田川で遡上(そ・じょう)してきた親アユを捕獲。実習室で授精させた卵を孵化(ふ・か)させ、育ててきた。大きくなった稚アユは毎年6月、地元の小学生と一緒に矢田川に放流している。

 杞山君は「海洋科学科を選んだのは、小学校の時に北海道でおいしいサケを食べたのがきっかけ。将来、自分もサケを養殖したい」。

 「栽培池」は年1、2回、地域住民や地元の幼稚園児らに公開される。飼育している魚の生態などを説明するのも、アクアコースの生徒たちだ。海洋科学科担当の安井朋教諭(27)は「魚の飼育を通して生徒の責任感が養え、達成感が得られる」と話す。

(藤本久格)

【デジタル版に動画】

http://www.asahi.com/video/area/#listPlayer

◆県内で唯一 実習船保有

 1946年に県立香住水産学校として設立。県立水産高校などを経て、52年に現在の校名になった。普通科と海洋科学科があり、生徒数は335人。県内の高校で唯一、マグロはえ縄漁業や海洋資源調査に使う実習船を保有。昨年新調された但州(たん・しゅう)丸(358トン)は6代目。校章は船のロープをあしらったデザインになっている。

 海洋科学科は2年から、船舶運航や漁業のプロを目指す「オーシャンコース」、水産物の調理と加工のプロを目指す「シーフードコース」、水生生物の生態や増殖について学ぶ「アクアコース」に分かれる。5月には、学校前の香住湾で海洋科学科のクラス対抗による「カッター大会」が開かれる。

 「地域に開かれた学校」がモットー。最寄り駅や海岸を定期的に清掃したり、生徒が実習で作った水産加工物を文化祭で地元の人たちに販売したりしている。

■マグロの缶詰を実習で製造

 水産食品の加工技術などを学ぶ海洋科学科シーフードコースでは、2年生が実習でマグロの缶詰をつくる。

 材料は同じ学科のオーシャンコースの2年生が実習船「但州丸」に乗り込み、北太平洋でとってきたビンナガマグロ。1月にあった加工実習では、冷凍された重さ約15キロのマグロを解体。ボイラーで蒸し上げた後、包丁を使って骨を丁寧に取り除き、食用油と塩で味を調えて缶に詰めていった。

 毎年、200グラム入りを約1千缶つくり、文化祭などで販売する。食品加工会社への就職をめざす2年の柴田竜司君(17)は「おいしかったと言われると、励みになります」。

■地元企業で週1回就業体験

 就職を希望する普通科の3年は選択科目「体験活動」を履修できる。地元の企業や店舗などに週1回出向き、就業体験を重ねる。就業先から「勤務態度」を5段階評価してもらい、最後の授業では他の生徒の前で学んだことを発表する。

 今年度は18人がスーパーや薬局、学校の事務所など11の事業所で約8カ月間働いた。松森咲紀さん(18)は、お年寄りが生活するグループホームを選択。入所者の食事を手伝ったり、一緒にレクリエーションをしたりした。「お年寄りのお世話を通じて、いろんな世代の人と話ができるようになった。4月から旅館のサービス業に就くので、生かしていきたい」

■空手道部 11年で強豪に成長

 空手道部は昨年まで9年連続で近畿大会に出場する強豪だが、部の歴史は浅い。空手経験者で顧問の岩本健作教諭(46)が赴任してきた11年前に、同好会としてスタートした。

 岩本教諭は練習でバランスとスピード、タイミングを重視する。「肩の力を抜いて技が出るようになると、最大の力を発揮できる」と話す。

 3年生が卒業し、現在の部員は9人。うち5人は高校から始めた。主将で2年の岡田哲弥君(17)もその一人。「練習はきついけど、成長していることが実感できる」。県大会女子個人形で5位の実績がある2年の原田初希さん(17)は「目標はインターハイ出場」と意気込む。

■寮生70人 生活のルール厳格

 但馬以外の出身者には男子寮「若潮寮」がある。現在、寮生活を送るのは海洋科学科の約70人。午前6時半の点呼の後に、風呂やトイレ、廊下を掃除。食堂で朝食を済ませた後、学校までの約4キロを自転車通学する。門限は午後7時半。入浴の時間は学年ごとに決められている。学校で立ち止まってあいさつをするのは寮生の証しだ。舎監長の石谷涼太郎教諭(42)は「寮のルールを教えるのは先輩の役割。慣れると、多くの生徒が自主的にごみ拾いができるようになる」。西宮市出身で1年の玉置瑠君(16)は「最初は決まり事が多くて大変だったけど、友達がたくさんできて楽しい。精神的にタフになった」。

4月から「まなビバ」は隔週で掲載します。次回(4月12日)は県立長田高校(神戸市)です。

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