朝日新聞デジタル：カメ全種類飼育が夢 - 石川 - 地域

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おいでよ！いしかわ動物園

カメ全種類飼育が夢

園内一カメに詳しい野田英樹さん＝能美市徳山町

◆飼育員　野田英樹さん◆

　飼育員の野田英樹さん（３７）は、園内一カメに詳しい「カメ博士」だ。「甲羅を獲得することによって敵を降参させる不思議な生き物。ひとくちにカメと言っても全世界に３００種類。海にも川にも陸にもいる。全部好きです」。カメを語る野田さんは熱い。

　幼稚園児のとき、生まれて初めて縁日の金魚すくいに行きミドリガメに出会った。金魚には目もくれず、迷わずカメ狙い。もちろんポイは一瞬で破れ、カメはボトンと水槽に落ちた。「代わりに金魚をもらったけれど、もう頭の中はカメでいっぱい。すぐに親にねだって飼い始めました」

　以来、カメを飼い続けてきた。「昔の図鑑は、ウソが書いてあるんですよ。夜は水中の泥の中で寝ると書いてあるから泥を入れたら窒息して死んじゃった。たくさん死なせつつ飼い方を学びました」

　静岡県から金沢大に進学し動物生態学を専攻。虫の研究室に入ったが独学でカメの研究を始め、大学院まで河北潟のカメの外来種と在来種との関係を調べた。

　卒業後、園ではもちろんカメの担当になると思っていたら、鳥の担当に。しかしカメへの情熱は冷めず、当時の課長に「カメは人気がある」と言い続けた。

　約１０年前は、園にカメはケヅメリクガメが１匹いるくらいだったが、「生物多様性が必要」と大義を掲げ、オスとメスをそろえ、他の園から別のカメをもらい、と繰り返していたら、「ついに去年、『カメたちの広場』ゾーンができました」と野田さん。

　実は、「オーストラリアの平原」の巨大水槽を孤独に泳ぐスッポンモドキも全部で４匹いる。「一緒にするとかみ合うんです。協調性がほしいところ」

　そんな野田さんの野望はやはり、「３００種、コンプリートしたい（完全にそろえたい）ですね」。現在園内のカメは２０種弱。成就への道はこれからだ。

（比名祥子）

　のだ・ひでき　トキ、リクガメ担当。静岡県出身。「カメは、卵を温める温度の高低でオス、メスが分かれます。去年、園で生まれたケヅメリクガメの子どもは、高い温度で温めたのでおそらくみんなメス。判明するのは３年後ですが」

こちらのＵＲＬで動画を見られます。

http://www.asahi.com/articles/ASJ2B5W1QJ2BPJLB00T.html

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