メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

07月05日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

2016参院選

高松市選管 開票作業の不正から3年

写真:2014年8月の知事選の開票作業はビデオカメラで撮影された=高松市香川町川東下 拡大2014年8月の知事選の開票作業はビデオカメラで撮影された=高松市香川町川東下

 2013年の参院選比例区の開票作業で、高松市選挙管理委員会は票を不正に操作する前代未聞の不祥事を起こした。事件後、市は開票作業の態勢を変えるとともに、職員の意識変革に力を入れてきた。10日に不祥事以来の参院選開票作業を迎える。

 大西秀人市長は6月30日の記者会見で「事件後初めての参院選。厳正に行わなければならないという意識を醸成して、適正厳正な事務を行うことを期待したい」と話した。

 市役所で7月1日に開かれた開票事務研修会で配られた資料の冒頭には「平成26(2014)年6月25日、高松市に衝撃的な出来事が起こりました」と記されていた。日付は元市選管事務局長ら市職員3人が公職選挙法違反(投票増減)容疑で逮捕された日だ。

 高松地裁判決によると、13年7月の参院選の開票作業で、元事務局長らは投票総数よりも票が足りないと思いこみ、白票を二重集計するなどして329票を水増しした。その後、本来の有効票が見つかると、集計せずにしまい込んだ。後日、「白票が水増しされた」と市に匿名の通報があると、保管していた箱の封を破って票を廃棄するなどの隠蔽(いんぺい)工作もした。関係した6人が起訴・在宅起訴され全員に有罪判決が出た。

 元事務局長らの逮捕を受けて設置された第三者機関の選挙事務調査委員会は、開票所に「監視カメラ」を置くよう提言した。14年8月の知事選で監視用カメラが設置され、その後は作業の記録用と名目は変わったが、今回の参院選も開票作業は動画撮影される。

 調査委員会は職員の順法意識の希薄さも問題視した。市が14年9月に職員に実施したアンケート(回答者2844人)では「やむを得ず行ってしまったことでかわいそう」が503人、「自分にはあまり関係ない」が107人もいた。

 市は調査委員会の提言を受け、職員の意識を変えようと15年4月にコンプライアンス推進課を新設。弁護士資格のある職員を配置して相談を受け付け始めた。法令順守に関する研修を行い、職員へのアンケートも改めて実施。14年のアンケートは回答率が82・3%だったが、昨秋のアンケートの回答率は91・9%に上がり、「1年前に比べ、コンプライアンス意識が高まったか」という設問に9割が「高まった」と回答した。

 市職員の免職処分は12、13年度に各2人、不正開票事件で逮捕者が出た14年度には6人いた。課を新設した15年度以降、懲戒処分は戒告3件で、免職はゼロ。人事課の担当者は「自分も含め職員の意識が変わってきたと感じる」と話す。

 全国で選挙事務のアドバイスをしている早大マニフェスト研究所の中村健事務局長は「法律の専門家を招き、コンプライアンス推進課を置いたことは評価できる」と言う。一方で「全職員を巻き込む改革ができているとはいえない。『市の威信を賭けて組織を変える』というトップのリーダーシップにかかっている」と話した。

(田中志乃)

■真山達志・同志社大教授(行政学)の話 
 不正開票事件は組織的な体質が垣間見える問題だ。根幹には「行政は間違えてはいけない」という意識がある。行政では、一つミスをすれば他の部や行政機関にも影響が及ぶ。そのためミスを「修正する」のでなく、「発覚する前に隠す」という発想が出る。組織に隠蔽を許すなれ合いではなく、意見を出し合える環境を醸成することが重要だ。

 さらに重要なのは、職員一人ひとりが自分の仕事を市民生活に欠かせない重要な役割だと意識し、自信と誇りを持つことだ。その意識があれば、失敗を恐れて萎縮するのではなく、よりよい行政にするために挑戦し、不正をはねのける風土を作り上げられるだろう。

2016年7月7日

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

高松総局から

県内の様々な課題を探る「深層2015」を掲載中です。twitter(asahi_takamatsu)もご覧下さい。
メールはこちらから

朝日新聞 高松総局 公式ツイッター

注目コンテンツ

  • 写真

    【&w】カカドゥの不思議な野鳥たち

    ノーザンテリトリー〈PR〉

  • 写真

    【&TRAVEL】遊び心満載の豪華客船

    船上でサーフィン?〈PR〉

  • 写真

    【&M】TEPPEI×ハマ・オカモト

    自分に合った服装とは?

  • 写真

    【&w】劇場鑑賞券を3組6名様に

    「&w」読者プレゼント

  • 写真

    好書好日旅するように異国料理を作る

    宮崎あおいさん初の料理本

  • 写真

    WEBRONZAカーシェア急拡大

    今日の編集長おすすめ記事

  • 写真

    アエラスタイルマガジンこれぞ手軽な手土産の大本命

    手土産に縁起のよい「虎家喜」

  • 写真

    T JAPAN未来を変えるコスメ 第2回

    全米で話題の「CBDオイル」

  • 写真

    GLOBE+注目は年齢差だけではない

    マクロン大統領夫人の実像

  • 写真

    sippo絶滅の危機に瀕するトラ

    生態は猫とほぼ同じ

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ