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明治維新150周年【いざなう維新】

霧島編8 西郷どんの宿 観光拠点へ

写真:緑に囲まれた「西郷どんの宿」と掃除をする大津光徳さん=霧島市隼人町 拡大緑に囲まれた「西郷どんの宿」と掃除をする大津光徳さん=霧島市隼人町

写真:ホテル洗心閣の跡地に残る池と2本のイヌマキ。左側のイヌマキは西郷が龍宝家に泊まる際に馬をつないだとされる=霧島市隼人町 拡大ホテル洗心閣の跡地に残る池と2本のイヌマキ。左側のイヌマキは西郷が龍宝家に泊まる際に馬をつないだとされる=霧島市隼人町

 霧島・日当山の山野で狩りをし、天降川に釣り糸を垂れ、温泉で疲れを癒やした西郷隆盛。宿代わりに寝泊まりしていたのが、龍宝伝右エ門の家だ。龍宝家は霧島市のJR日当山駅の近くで当時のままに再現され、「西郷どんの宿」として公開されている。

 蛭児(ひるこ)神社の目の前にあり、大きなクスノキに囲まれた「西郷どんの宿」を訪れた。屋根はかやぶきと瓦ぶきの二重屋根。中は土間になっていて、かまどもある。部屋は田の字形に4間。囲炉裏もある。

 見学に来ていた東京都の女性(62)は「目をつぶると、西郷さんの姿が浮かぶような気がします。町の暮らしをずっと見守ってきた建物に存在感を感じる」と感想を語った。

 家の管理や保存に携わる「西郷どん会」の大津光徳会長(76)によると、龍宝家は30年ほど前、老朽化のために解体され、建て替えられることになった。「郷土の歴史遺産として残すべきだ」と当時町議だった故初瀬治夫さんが訴え、復元して保存されることになったという。地元有志や関東、関西に住む出身者らから5年がかりで900万円の寄付を集め、1989年12月に完成した。

 伝右エ門の子孫、誠美さん(79)と妻の洋子さん(73)は建て替えられた龍宝家に住んでいる。洋子さんは縁者の一人で、小さい頃から龍宝家に遊びに来ていた。伝右エ門の孫で、誠美さんの祖父の熊吉さんは優しくて働き者だったことを覚えているという。しかし、当時の様子を伝え聞く家族や親類が減り、誠美さんは「だんだん寂しくなる」と話す。

 龍宝家の庭には土俵もあったとおじの鉄馬さんから聞いた。相撲好きの西郷もそこで相撲を取ったのだろうか。家の裏手にある墓石を見せてもらうと、元禄、天保などの江戸時代の暦が彫られていた。

 西郷と親密だった伝右エ門は、どんな人物だったのか。誠美さんによると、龍宝家は元々、奄美でサトウキビに関わる仕事に就いていた龍家がルーツ。「島津家に連れて来られ、宝の字をもらった」と説明する。

 奄美の龍家といえば、西郷の妻の愛加那は龍佐恵志の娘だ。そんな縁が西郷と伝右エ門を結びつけたのかどうかは「わからない」という。

     ◇

 「西郷どんの宿」は、雨漏りや老朽化が目立ってきたため、年内に近くに建て替えられる予定だ。

 「西郷どん会」の大津会長によると、会員が掃除やかやの修理などをしてきたが、建て替えや管理を市に要望。市は昨年9月末に閉館したホテル洗心閣の跡地を購入し、その場所にほぼ同じ姿で復元する。

 洗心閣跡地にある池と2本のイヌマキ(一ツ葉)は残される。イヌマキは西郷が日当山を訪れる度に馬をつないだ木とされ、洋子さんは「龍宝家にあった3本のイヌマキのうち、1本が残され、2本は洗心閣に譲ったようです」と語る。

 新しい「西郷どんの宿」の近くには物産館や足湯を設け、市は新たな観光の拠点にしたい考えだ。

 誠美さんは「昔は周辺に旅館などがいっぱいあった。新しい西郷どんの宿やイヌマキがきっかけになって、日当山ににぎわいが戻れば」と話した。

(大久保忠夫)=この項終わり

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