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企画特集 1【ルポ かながわ】

箱根観光 外国人客が下支え

写真:箱根大名行列を見物する外国人観光客ら=11月3日、箱根町湯本 拡大箱根大名行列を見物する外国人観光客ら=11月3日、箱根町湯本

写真:芦ノ湖を前景に雲間から現れた富士山=箱根町元箱根 拡大芦ノ湖を前景に雲間から現れた富士山=箱根町元箱根

写真:ジェフリー・ギャリッシュ氏 拡大ジェフリー・ギャリッシュ氏

■眺望に魅力/火山活発化の影響カバー

 群青色の湖のほとりに立つ赤い鳥居が、緑の森の奥へいざなう。森の背後で白い雲の形が崩れ、ほんのりと青い山頂部の山肌が現れた。富士山だ。

 「心を揺さぶる驚きの山だ」と英スコットランドから来たアンドリュー・スプラントさん(50)。「東京で見た富士山は小さかったが、ここは近い。湖や鳥居との組み合わせも良く、崇高な思いを抱ける」

 芦ノ湖の近くで多彩な日本画を展示する成川美術館(箱根町元箱根)からの眺望だ。中国や台湾、スペインの団体がバスで訪れ、ウェブ情報で知る米・英・仏人らは湖畔から数分間で歩いて来る。

 天候次第で、もちろん見えない日もある。そこで美術館は今年4月、館内から見た富士山の写真入り絵はがき3枚をすべての外国人客に無料で配り始めた。美術館の小原勝好支配人は「見えても見えなくても、日本の思い出を持ち帰ってほしい」と考えた。

 5月、大涌谷の火山活動が活発化した。「日本人のお客さんの数はがくんと落ちた。かなりの数をカバーしてくれたのが外国人で、感謝しています」

 町観光課によると、箱根湯本駅前の観光案内所が応対した日本人は今年5〜9月、前年比34%減の2万1984人。外国人は同期間に前年比26%増の1万1324人で、観光産業を下支えしたといえそうだ。

 箱根小涌園は外国人への「和のおもてなし」にと今夏、エレガントな浴衣姿で和食を味わえる企画を始めた。女性客にカラフルな花柄、男性には麻の葉模様の浴衣を提供し、身に着けた人たちがレストランに集う。外国人は約9割の人が浴衣姿で和食を食べるという。

 箱根湯本の温泉街で11月3日、米コロラド州の50代の夫婦が大名行列を見ながら話した。「ロッキー山脈の林と違う、真っ赤な紅葉を見たいからここに来た。火山のことはインターネットで読んだけど、予定を変える理由にはならない」

 箱根町塔ノ沢の老舗旅館「一の湯」。早川のせせらぎが和風の客室に響き、大浴室を敬遠する外国人に風呂つきの部屋もある。6年前から英語のウェブサイトを開設。江戸時代の浮世絵に描かれた旅館として紹介し、外国人客が急増した。昨年はグループの町内8施設で外国人が計約2万5千人に上ったという。

 フランスから来たニコラ・フィリップさん(29)は「パリとは違う伝統的な暮らしを感じる所だ。リラックスし、元気になる貴重な経験だった」と話した。

 日本文化への関心に応えようと今年1〜8月、芸者体験プランを組んだ。宿泊1人につき3千〜5千円の追加料金で、芸者たちが踊りや三味線を夕食時に披露。希望者10人以上の場合に実施し、月に2〜3回ずつ開催したという。

 さらに主に外国人向けの観光体験サービスを続々と計画。国・県指定文化財の旅館の見学、寄せ木細工の制作体験、湘南ゴールドやミカンの収穫体験などの準備を進める。「一の湯」の計画全体が先月、国の地域産業資源活用事業に認定された。

 営業マネジャーの福岡昭憲さんは「身近な文化の体験で、外国人客に日本の良さをもっと知ってもらい、箱根に何回も来てもらえるようにしたい」と語る。

 (村野英一)

■体験の場発掘、ウェブ発信を

 ◆観光支援の米国人社長に聞く

 初来日の中国人の多くは団体ツアーで東京、箱根、京都を訪れる。2回目以降も箱根に来てくれるだろうか。箱根の国際観光を支援するHoEigo(ホエイゴ、小田原市)社長の米国人、ジェフリー・ギャリッシュ氏(36)に、箱根観光業の課題を聞いた。

     ◇

 東京や京都に体験の場が多いのと比べ、箱根は(芦ノ湖などの)ゴールデンルートの周遊だけだと思われるのが残念。小田原や小さい町も含めて、もっと体験の場を発掘するべきだ。

 例えば、ハイキングや人力車、茶の湯、芸者の宴席、ミカンの収穫体験に取り組める。小田原漁港の観光は、東京・築地に匹敵する可能性がある。真鶴の海でも遊べる。南足柄の最乗寺も素晴らしい所だ。

 おもてなしの起点は旅館の玄関でなく、ウェブサイトでの対話にある。予約を入れた外国人に「食事でアレルギーのある方はお知らせ下さい」とメールを送ると対話の機会になる。

 欧米のホテルのように、宿泊した外国人にもメールで謝意を伝え、関係を深めたい。宿泊客の感想がウェブに載るトリップアドバイザーの影響力も考えよう。

 大名行列などのイベント情報を毎月発信するべきだ。外国人は次に行く所の新情報を欲している。箱根の歴史や文化の魅力を楽しんでもらうためにも、体験の場をもっとつくり、ウェブでよく読まれる英語情報を提供することが重要だ。

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