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企画特集 2【医療・介護 最前線】

発達障害 就労へ手助け

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写真:来年1月に開所予定の「TEENS川崎」では、スタッフによる準備が進んでいる=川崎市川崎区 拡大来年1月に開所予定の「TEENS川崎」では、スタッフによる準備が進んでいる=川崎市川崎区

 発達障害の小中高校生の学習や生活を支援する放課後等デイサービス「TEENS(ティーンズ)」の施設が来年1月、川崎市川崎区に開所する。横浜と都内の計3カ所にある既存の施設とともに利用申し込みが相次ぎ、すでに空き待ちの状態だという。

 横浜市の中学3年生、岡内太一さん(15)は約1年前から、ティーンズで就労体験のコースを受講中だ。

 3歳で高機能自閉症(当時)と判明。人と関わりたいのに受動的で、学校生活に自信を失う時期もあった。だが最近では、自ら発言をする機会が増えた。母親の真帆さん(50)は「受講での経験は、本人が克服すべき部分と、特性を受け入れて周りに助けを求めるべき部分とを明確にしてくれる」と話す。徐々に自信を蓄え、「ずっと通いたい」と意欲的に参加する、息子の姿がうれしいという。

 同市に住む、高校2年生の男子生徒(16)は昨年、学校からの勧めで児童精神科を受診。注意欠陥多動性障害などがある、と診断された。周囲との衝突が絶えず、授業にも集中出来なかった。母親(39)は「周囲から『いずれ落ち着くだろう』と励まされ、家族で深刻にとらえずにきた」と振り返る。

 ティーンズで学習と就労支援の受講を始め、1年弱で成績がぐんと伸びた。「周囲に怒られては萎縮することが多かった。受講では『今、何が必要か』をスタッフが諭してくれ、勉強や、他者の気持ちを察することが苦ではなくなってきた」と男子生徒。今夏挑戦したアルバイト先では「また来てね」と、店長から言われた。

 ティーンズの柱は、学習と、将来社会人として働ける社会性を身につけることの二つ。

 週1回程度、希望のコース別に10人弱のグループで、予習復習などの学習支援のほか、スタッフを職場の社員と想定し、言葉遣いなどの作法やチームワーク、パソコンの基礎知識なども学べる。受講時の「つまずいた点」「良かった点」は、詳細に保護者に報告される仕組みだ。

 運営会社「Kaien」の鈴木慶太社長(37)は、自身の長男も発達障害を抱える。「単なる放課後のたまり場ではない。実践的な経験を重ねることで将来、就労して社会で活躍出来るスキルを身につけることが狙いだ」と強調する。

 受講には、居住地の自治体に申請する「障害福祉サービス受給者証」の取得が必要。世帯の収入によって異なるが、一回あたりの利用料金は無料〜1千円程度という。

■全国の窓口5.9万人対応

 文部科学省が2012年に全国の小中学校600校の教員を対象に実施した調査では、通常学級に通う児童や生徒のうち、発達障害の疑いがある子どもの推定値は約6.5%。また、国が運営する発達障害情報・支援センターによると、昨年度、全国の支援窓口で対応したのは、約5万9千人に上った。

 地域の支援センターなど相談窓口は、発達障害情報・支援センター(http://www.rehab.go.jp/ddis/相談窓口の情報/)や、TEENS(http://www.teensmoon.com/pdd/data/)のサイトでも紹介している。

■記者のひと言「支援のあり方 広がりに期待」

 発達障害の症状は多様だ。軽度では、「生きづらさ」を感じていても相談窓口を訪れることなく社会生活を送る人も多いといい、厚生労働省の担当者は「実数の正確な把握は困難だ」という。取材した利用者たちは、早めに支援につながることが重要と話す一方で、「適切な支援の場」を探し出すことの困難を味わった人もいた。発達障害への理解の浸透とともに、支援のあり方が一層広がることも期待したい。

(奥田薫子)

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