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教育【青春スクロール】

川崎総合科学(1)

写真: 拡大

写真:ライブで演奏するSHISHAMO=昨年12月、岡田貴之氏撮影 拡大ライブで演奏するSHISHAMO=昨年12月、岡田貴之氏撮影

写真:「SHISHAMO」の(左から)松岡彩さん、宮崎朝子さん、吉川美冴貴さん=山本裕之撮影 拡大「SHISHAMO」の(左から)松岡彩さん、宮崎朝子さん、吉川美冴貴さん=山本裕之撮影

■明日も未来も 存分に創る

 ◇軽音楽部で結成、7年で紅白/「これだ」と思った音、曲げず

 川崎市を拠点に活動する女性3人のバンド「SHISHAMO(ししゃも)」は昨年の大みそか、NHK紅白歌合戦の舞台にいた。曲は「明日(あした)も」。

 痛いけど走った 苦しいけど走った

 報われるかなんて 分からないけど

 とりあえずまだ 僕は折れない――

 ギター&ボーカルの宮崎朝子(23)は「緊張は、すごくしました」。注目される中、ミスのない演奏ができたと思っている。

 宮崎と、ベースの松岡彩(22)、ドラムの吉川美冴貴(23)は、いずれも同市内で暮らしている。1月中は休養し、実家で過ごしたり旅行に出かけたり。2月中旬ごろから活動を再開し、3月下旬からのツアーに備えている。練習時間は、数時間から10時間に及ぶ日もあるという。

 SHISHAMOは2010年、多摩川に近い川崎市立川崎総合科学高校に入学した宮崎や吉川ら、軽音楽部の新入生が結成した。当初の名は「柳葉魚(ししゃも)」。

 宮崎の姉が「漢字で書くと格好いいのに、読むとかわいい、というギャップがいい」と名付けた。力をつけ、外で演奏するようになったころ、「読めない」と言われ、ローマ字に変えた。

 部の顧問、菊田直史(44)によると入部当時、すでに経験があった吉川はドラムが「そこそこ」できたが、宮崎はギターを持ってはいたが素人状態。それでも、ギター&ボーカルをやりたいと言い、「両方を一度に出来るのかな」と心配した。高1年の時は、よくあるコピーバンドだった。それが2年で宮崎が作詞・作曲をするようになってから、変わった。「こんな曲、1曲目から作るんだ」。20代から顧問を続けるが、目を見張った。そして、メンバーは誰よりも練習をした。

 バンドの転機は、3年で出場した全国高校生アマチュアバンド選手権。菊田は出場に向けて作った音源が気に入り、行きつけの飲食店「とんかつ 華家」(同市高津区)で周囲に聴かせた。声と音質に魅せられた常連客の音楽関係者から、菊田を通じてCD作りを持ちかけられ、13年春の高校卒業と同時に本格的に活動を開始した。

 ベースが14年夏に辞めることになり、新メンバーを探していたころ、宮崎は大阪の音楽イベントで、専門学校生として現場研修に来た松岡を偶然見かけ、スカウトした。宮崎は「顔が好みでした」。ただ、「弾けます」と言っていたベースは「意外と弾けなかった」。大阪から川崎に引っ越してきた松岡と、特訓が始まった。

 菊田は、高校時代に立ち会った初のレコーディングのことを覚えている。宮崎は、周囲のプロらが推す音に対し「いや、こっちの音の方がいい」と言って曲げなかった。出来た音を聴くと、納得せざるを得なかった。「見ていた方向にちゃんと曲をまとめ上げるところに、びっくりした」。そんなことが続いた。

 技術も確かめず、松岡をスカウトした宮崎について、レコーディングの場面を重ね合わせる。「直感で、『これだ』と思ったものに入ってゆく。彼女(松岡)を見た時、ピンと来たのだろう。『ぱっ』と決めたことに対する自信というか、曲げなさというか。僕らじゃ見えない所まで、彼女は『ぱっ』と見えているんだろう」

 宮崎も吉川も、絵を描いたり物を作ったりするのが好きだ。同校には設備も教師陣もそろっているので、デザイン科を選んだ。カメラや立体も学べた。吉川は「自分が思っていたことより、さらに広いことが勉強できた」。高校時代に作ったバンドのロゴも、プロになった今のライブのイラストやグッズも、宮崎がその大半を高校で学んだ技術を生かして作っている。3人は言う。「川崎で、しかもあの高校でなかったら、SHISHAMOは生まれていなかったと思う」

 「明日も」は、宮崎が松岡、吉川と初めて見たサッカーJ1・川崎フロンターレの試合から生まれた。等々力陸上競技場(同市中原区)で、サポーターたちの姿に引き込まれた。チームの応援歌になり、サポーターも試合で歌う。

 バンドは7月28日、同競技場では初の音楽イベントとなる単独ライブをする。今年はデビュー5周年。宮崎は「今までのSHISHAMOと、これからのSHISHAMOがきちんと見せられればいいなと思う。『これがSHISHAMOのライブだ』と思えるようなライブをしたい」

(敬称略。斎藤茂洋が担当します)

 川崎総合科学高校 1963年、川崎市幸区小向仲野町に土木と建築、電気の3科がある市立工業高校として創立。93年、「川崎総合科学高校」に校名変更、学科を新設改編し、工業系のデザイン科や建設工学科など5科と科学科の計6科で構成。科学科は県内の公立高校で初の理数科として設置された。

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